Hot water as a morning routine 朝一番の白湯 | 空と風と川の流れを.

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 いくつかの理由があって朝一番に白湯を飲み始めた。もう三週間になる。

 

 父は膵臓癌で死んだ。父は基本的に体を温めるということをしなかったと思う。冬場でも暖かい飲み物を飲んでいるところを見たことがなかったし、古い家に住んでいたけれども仕事から帰宅してもストーブも点けずに風呂に入ってそのまま寝ることがあった。今思うと、もう少し暖かい場所で、暖かい部屋で過ごしていたならもう少し長生きしていたのではないかと思う。このことはずっと気になっていたことで、もっと暖かくしろって言い続けてもよかったと後悔している部分がある。

 

 『内臓を温める』という考え方。

 生命の活動はタンパク質、特に『酵素』と呼ばれるタンパク質の性質による。

 最もわかりやすい例でいうと、消化酵素だろう。トリプシンやペプシンなどの酵素タンパク質は消化管内で食餌の消化を行うものである。ほぼ全ての酵素は『最適温度』というものがあり、生体でいうと37℃でもっとも活性がたかく、その酵素の働きがもっとも高まる。冷たい飲み物を飲んで内臓が冷やされた状態では酵素の働きが悪く、消化に時間がかかってしまう。消化に時間がかかってしまうと消化管に負担がかかってしまうし、その分、血糖値が高い状態が長時間続くことになる。脂っこい食べ物を考えると、脂肪がたくさん含まれているものを冷やすとねっとりラードみたいになってしまう。しかし、暖めたりすると脂分はさらさらになり流れやすくなる。そのラードみたいな状態で消化管にあるとすれば当然消化に時間がかかってしまう。想像しただけで気持ち悪くない?一方で暖かい状態では脂肪分は流れやすいので消化酵素は働きやすくかつ流れやすい。

 

 では、内臓を冷やさず温めた状態を保つにはどうすればよいか。あいにく、暖房をつけたり、クーラーを使わないようにするとか、外部の環境を変えてもあまり効果がない。とすれば、暖かい飲み物や食べ物を食べる以外に方法はないのである。

 以上の考えから、朝一番に湯呑み一杯の白湯を飲むことにした。

 朝一番という、身体が最も水分を要求している状態、そして内臓を温めることで一気に内臓の活動をブーストできるのではないかと考えた。お茶でもコーヒーでもいいだろう。しかし、カフェインやさまざまな物質が含まれてそれを朝一番の吸収が最も高い状態ではマイナス面もあるのではないか。その点で白湯がもちろんプレーンでニュートラルなものではないかと。

 

 というわけで、白湯を飲み始めた。変化としては、

 最初の三日目ぐらいから一気に体調が悪くなった。疲れやすいというよりかは体力が落ちた感じで、しかもなんか胃や口の中がムカムカして気持ち悪いように思え、さらに、頭皮と頸の後ろに吹き出物が大量にでてきた。

 その状態が一週間ほど続き、それが過ぎると日中にあまり疲れることがなくなった。常に手や足が暖かい感じ。食べるものも美味しく感じるようになり、タバコの本数も減った。

 二週間過ぎたあたりからは疲れやすいどころか、なにか基本的な体力を維持できるようになったという感じ。夜もよく眠れるようになり、また早起きもできるようになった。

 自分は糖尿病を持っている。これがやっかいな病気で、普通は朝起きたとき、食事の後は元気になるものなのだろうが、糖尿病のせいで朝起きると低血糖になっていることが多く身体が重くすでに疲れている状態になる。食事の後は血糖値が急激に上がるせいでだるく感じることが多い。

 そういった倦怠感と疲労感が白湯を初めてからややおさまったように思う。

 肩こりや背中の凝りなんかが減ったような気がする。

 

 気のせい?という範囲かもしれないが、白湯という最もシンプルな方法で、理に適った効果を期待できるのであればいいのではないかと思う。

 白湯って究極のミニマリズムじゃない?