これは一つのプロジェクトである。
わざわざそんな面倒くさいことしなくてもいいのに自宅でコーヒー焙煎をやることにした。
コーヒー屋やスーパーに行けば普通にコーヒー豆を買うことができるが、ふと、Amazonを眺めているとおすすめに家庭用コーヒー豆焙煎機が出てきた。しかも値段は29ドル。それぐらいの出費で経験できるならやってみてもいいかと。
なによりも、『コーヒーとはなにか』というさらなる探究としてもよいのではないか。
さて、まず、なにをどう考え、始めるべきか。
まず『基準』あるいは「Standard」を設定するべきと考えた。
『基準』『Standard』とは何か。
それは手順と作業が同等のものにできるだけ近付けて既知のものを再現すること。
この場合、これまで飲んできたコーヒーと同じ豆を焙煎してできるだけ同じ味に近づける、さらには再現できるまで試すということになる。
ということで、ここはいくつかコーヒーの生豆をオンラインで入手して、まず手持ちの焙煎機で再現できるか試してみた。
最初に試したのはスマトラのコーヒー豆。
オンラインで生豆専門で扱っている店があったのでそこから1/2パウンドずつ様々な豆が入ったサンプルパックというものを入手。思ったより大量にある。ぞっとする。
あらかじめ、虫食いや欠けた豆を取り除かなければならないらしいが、思ったよりそういう不良な豆は少なかった。
買った焙煎機はこういうもの。
カセットコンロの上に置いて、下から熱していくもの。
一回目
結論からいうと失敗だった。
温度管理がよくわからない。適当に中火から始めてみて時間はおよそ12分を目安に、ゆっくりと焙煎機を回す。ところが10分を過ぎたところで煙がもくもくと出始めた。こんなものかと引き続き加熱し続けてみたら、豆は真っ黒焦げになってしまった。見たことがないほど真っ黒。つまりこれは炭だ。試しに挽いて飲んでみたところ単なる焦げたような味。こりゃあかん。
二回目
次も同様に中火でゆっくり始めてみて、煙が立ち込め始めたところで火を止めた。すると今度は煎れていない。白いところがところどころ残っている。ミルで挽いてみたところ硬くてミルが回せなず歯がたたない。
その豆をもう一度焙煎機に入れて加熱して煎ってみたら黒焦げとまではいかないが、焦茶色になって見た目だけはなんとかコーヒー豆らしくなった。
試しに挽いてみて飲んでみたところ、なんか味がおかしい。苦すぎるというか、焦げ臭さも少し感じるし決して美味しいとは思えない。胃に悪そうな味だった。
これは加熱する温度をしっかりと管理しなくてはならないと思い、温度計を入手することにした。(続く)