3月9日 足立社保学校第2講座 ”権利としての生活保護”を学ぶ | 足立健康友の会

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「足立社保学校」第2講座 ― 生活保護を「本当の権利」とするための方向性を学ぶ
 4年ぶりに復活した「足立社保学校」(主催:足立社保協)の第2講座が3月9日午後に開講されました。
 今回は「『権利』としての生活保護を!」をテーマに、生活保護問題対策全国会議事務局次長として生活困窮者の方々の支援に取り組まれている田川 英信さんが講師を務めてくださいました。
 田川さんは、ケースワーカーとして福祉事務所に長く勤務されてきたご自身の経験も交えながら、「自己責任」論を背景に貧困解消の課題に根本から向き合わず、逆に生活保護基準を引き下げて生活保護利用者を苦しめている国の姿勢をはじめ、行政(福祉事務所)の現場で今なおはびこっている「水際作戦」をはじめ、「生活困窮者の方々に生活保護を受けさせない」という違法・不適切な制度運用などの問題点を厳しく指摘し、そうした行政の怠慢や不正義をただすために生活保護利用者みずからが立ち上がった「いのちのとりで裁判」の意義を訴えました。
そして、生活保護を「本当の権利」としていくために、国や自治体がしなければならないこととして、①生活保護への忌避感が今なお強い国民意識を変えるための積極的な広報、②国としての貧困解消の目標設定はもちろん、自治体側でも生活保護申請をしやすくするような取り組み(生活保護のしおり等の見直し、窓口への申請書設置、面接の録音化、扶養照会の見直し)の着手、③「水際作戦」などの違法・不適切な運用をなくすための福祉事務所現場における実施体制(人員配置・経験・研修)の強化と生活保護を必要としている方の利用を漏らさないための監査の必要性を強く訴えました。
 今回の講座には38人が参加。講演後の質疑応答も活発で、第1講座に続いて活気が感じられた講座でした。