
中医学を基本にしつつ感覚重視の治療を行う先生の講義でした。
現代中医の定義をまず
☆弁証論治を利用したシステム
☆穴性論(治法に沿った経穴を選ぶ)を利用したもの
例えば肝気鬱であれば治法は疏肝理気で理気作用があったり疏泄作用がある経穴を選ぶ。
四診をして症状によってどれか物差しに当てはめる
臓腑弁証でもいいし気血弁証でもいいし経絡弁証でもよい
それから治法を出す。
方法は何でもよく鍼灸でも湯薬でも食事でもスポーツでもなんでもよい。
○例えば疏肝理気をするとき
鍼灸であれば太衝に鍼、生活であれば好きなことをしてもらうなど気が流れる、滞りが取れる治療方法を出すこと。
特に肝鬱であればストレスによって悪化するので好きなことをして滞ってパンパンになったからだや頭の中を一度スペースを持たす必要があるのでガス抜きが必要になる そこからの治療のほうが効率がよい。締め付けてタバコをやめたりするのはそのあとの話になる。
大きな治療の進め方は
①主訴の確定(四診 望 聞 問 切 )
・このために患者には極力オープンにしゃべってもらう
・重要度の高い情報をリストアップする
・逸脱した症状があればチェックする
・仮説の証を立てる→脈や舌、切診での整合性を考慮する
・整合性が取れたら確定
↓
取れなければとれない理由を考えまた質問、再検討
・証を確定する
・治法を考える。その日の目標、今後の目標予定など。
ポイント
主訴と体質はいったん分けて考える
痛み方は個人で表現が変わってくるためにたとえたりして両者の認識を一致させる
☆この証を立てるときになるべく主訴がその証になった病理を言語化するといい
例えば
後頭部の頭痛が主訴 証が肝気鬱であれば
肝の疏泄の失調から気滞をおこして、気が廻らず気を一番必要とする最大経筋である太陽膀胱経に頭痛が現れたなど
この場合の治療だと疏肝理気の治療は初回では20でまず太陽膀胱経の気滞をとり痛みをとる治療を80。痛みを数日とって次回は理気の方の配分を上げる。疏肝理気や舒筋活絡などから反応点をセレクトし深呼吸をしてもらい筋肉の緩んだ状態を体感してもらう。
☆症状の足し算はしないこと
教科書で習った症状がすべて出ることはないことが多い。肝気鬱でどんな症状がでるのか覚えておくのは大切だけども。
☆できれば使用経穴は少なめに 先生は寸3の0番最高5本使うくらいで
鍼ができることは
補 寫 通の3つ!
具体例(省略してます)
①喘息発作があったかい部屋で起こった女性の場合
寒い部屋から急にあったかくなったときにおこったので風熱によるものと考える
脈は浮数 手の示指端の皮膚温度が高いのが所見
(風熱の初期の場合示指端だけあつくなるケースが多い)
治療は商陽に刺絡 10分後に発作が治まる。
証はそれから問診して肺の痰飲
治療は豊溜と中カン右横2寸の反応点に なかなかとれないしこりの場合だったので上下左右前後の法則で反応がない左横に刺鍼でほぼ完治
②過敏性腸症候群の男性
経過は去年の9月から頻便になり慢性前立腺炎が判明同時期から腹痛 肛門痛みが顕著に。その際は直腸恥骨筋あたりが過緊張になって左腹部から下肢の冷、麻木を伴う、。
悪化要因は疲労(午後から顕著、午前中も痛む)加冷、脈は緊数 舌は白ジ苔あり ストレスが多い職場にいる
肝の疏泄失調から肝胆湿熱に移行 徐々に肝脾不破から脾陽虚も併発すると考えられる
治療は中極 太衝 風池 承山
しかし治療は緩改をしていくも停滞している
ここで病態を動かすために寒いと悪化するというが患者に温めるとよくなるかと聞くとそんなことはないという。では陽虚でほんとうにいいのであろうか。
寒でわるくなることは冷えとともに筋肉の収縮も伴うのでこの患者の場合冷えではなく筋の収縮が増悪要因になり、筋の弛緩が改善要因になっていた。
そこで肝の疏泄失調を筋収縮出現にしぼり、ストレスから寒い冷たい、痛くなるのではという緊張やおそれはすべて肝の疏泄失調を増悪し筋収縮を悪化させる。
治療を風池 太衝 陽陵泉 隔ユ 委中に変更してかなり良くなった。
メモ
陰虚のこりは骨際で米粒のようなもの
これをとるのはまっすぐあてて溶かすイメージで
三陰交はへこんでいたり自汗があれば血虚で血おだと硬くなっている。
もしへこんでいればこの三陰交では補血しかできない
血おをとりたいのであれば他の地機や陰谷をみて硬いところで治療する
気滞があるとこりはエリアで現れる。
下は隙間がありぶよっとしたコリが気滞のこり
気虚は一番へこむ方向に打つので一つ一つ確認する
経絡の深さも人によって違う
インテリ、考える人は浅い傾向にある。