まずめまいとは!
眩暈とは空間における身体位置感覚に不調和を感じる異常な感覚のことで身体のバランスをとるもことが困難になる状態を言います。自分の体の向きがどのような状態になっているかを認識する平行機能が傷害されたときに起こる感覚。
具体的には患者自身や周囲がぐるぐる回転している感じを狭義の眩暈、または回転性眩暈おいい、これに対して、体が動揺する感じを眩暈感、非回転性の眩暈という。
一口にめまいといっても内容は一様ではない。
分類すると
1末梢性前庭性
2中枢性前庭性
1末梢前庭性の眩暈
内耳の前庭器官、もしくは前庭神経への刺激や障害によって起こるめまいのことを言います。この場合、身体の動きを直接知る装置とその情報を伝える神経が原因なので多くは激しい回転性の眩暈をおこす。
①前庭器官を刺激し眩暈を起こすものとして
外耳炎
中耳炎
耳管狭窄
これらは耳管が狭くなることで中耳内の気圧が変化して眩暈を起こすとされている。
②前庭器官が直接障害されて眩暈を起こすものとして
中耳炎
メニエール病
良性突発性頭位眩暈
薬の副作用、中毒が原因となることもある。
(*メニエール病は耳鳴り、難聴、回転性眩暈の三徴候が特徴であるが10万人に3,4人の病)
(*良性突発性頭位眩暈は頭を動かしたときにおこる回転性の眩暈、起きる頭の位置が決まっていて向きを直して治りそのままでも30秒ほどで弱まってしばらくすると治る、耳鳴りや難聴は伴わない)
(*薬害、ストレプトマイシンやカナマイシンといった結核治療の抗生剤によって感覚細胞が変化して眩暈耳鳴り難聴を起こしてしまった。両方におこる)
③前庭神経が障害されるものでは
前庭神経炎
突発性難聴
聴神経腫瘍
ラムゼイハント症候群
(*前庭神経炎は風邪のような症状のあとに起こる、前庭神経の単一神経炎なのでおきあがれないほどのひどい回転性の眩暈がおき、悪心嘔吐も起こる。ただ蝸牛神経が障害されないから耳内難聴は伴わない)
(*突発性難聴は突然片方の耳の聞こえが悪くなる病気。難聴のほかに耳鳴り眩暈も伴うが眩暈は強かったり弱かったりする。原因は不明。)
(*聴神経腫瘍は良性腫瘍で蝸牛神経より内耳神経にできるほうが多い。これは腫瘍の場所によって眩暈や耳鳴り難聴などもでてくるし大きくなると周囲に影響して顔面神経や三叉神経、小脳へも影響する。)
(*ラムゼイハントは帯状疱疹ウイルスが内耳や顔面神経、蝸牛神経、前庭神経などに感染して眩暈耳鳴り、難聴、顔面神経麻痺などおこすもの)
これらの病に西洋医学では↓
血管拡張剤・・・内耳の血流をよくするため
ステロイド・・・炎症を抑える
ビタミンB12・・・傷ついた末梢神経の回復効果がある
が処方される。ので炎症が長引くと後遺症が残るので早めのステロイドは意義があるが併用して鍼灸を行うと免疫力も高まり治癒力も鼓舞されるので鍼灸適応疾患といえる。
2中枢性の眩暈
これは小脳や脳幹の障害によって起こる眩暈のことを言う。この場合は回転性の眩暈は少なくてあっても軽症で多くはうごきのぎこちなさを伴う眩暈である。
これは脳循環や脳血管、脳腫瘍によって生じるものである。
脳腫瘍を直接なくすことはできないが全身の調整や症状の進行を鍼灸は遅らせることができるといわれている。
鍼灸院で遭遇する場合だと・・・・
耳鼻科、眩暈外来、総合病院でのMRから原因不明といわれる人が鍼灸院には多く来院されると思う。
その場合頚部の緊張も考えられる。平衡調整に直接関与する部位以外が原因で起こるめまいのことを非前庭性眩暈という。
これには
①頚性眩暈
②視覚によるもの
③内科疾患によるもの
④その他
に分類できる。
①頚性眩暈
これは頚部の筋肉や軟部組織の障害が原因で起こる眩暈のこと
1)頚部の回転や過伸展によって頚部の筋肉や頚椎の変形部分が椎骨動脈を圧迫して平衡器官への血流が不足するために起こる
2)頚部の交感神経節が圧迫されると自律神経系の機能障害がおきる。
3)頚筋からの求心性インパルスが障害されることによって起こる。
画像に捉えられずに頚部のコリがある場合は鍼灸適応といえる!
②視覚によるもの
これは乗り物酔いのようなもので平衡感覚の誤作動ともいえる
③内科疾患による眩暈
血圧が下がると目の前が暗くなったり立ちくらみが起こる。のうへの血流が不足するためである。血圧が上がると脳動脈圧の上昇や血管痙攣によって脳循環が障害されて発作的な眩暈を起こすものと思われる。何らかの心疾患があったり重度の貧血でも眩暈感覚がでる。
④その他
歯や鼻の疾患でも起こる。
眩暈の原因はさまざまあるが病気の特徴を覚えて想定したり、説明できるようにならねばです。
現代的な治療穴は内耳への血流改善や自律神経調整、頚部へのアプローチになると思います。
ではおまけに↓
★中医学的治療穴
1)肝陽亢進によるめまい・・・「風池」 「侠谿」 「太衝」 「肝兪」 「腎兪」 「太谿」
風池、侠谿により上亢している肝陽を清瀉し、大衝で整え、
肝兪、腎兪、太谿により肝・腎の「陰」を補います。
2)痰濁によるめまい・・・「中脘」 「内関」 「豊隆」 「陰陵泉」 「頭維」
中脘、内関により脾胃を整え、降逆去痰をはかり、陰陵泉で健脾します。
豊隆は治痰の要穴で、頭維により頭目をすっきりさせます。
3)気血両虚によるめまい・・・「百会」 「足三里」 「気海」 「三陰交」 「脾兪」
治療の要点は脾胃にあります。 脾兪、足三里により生化の源を滋養し
水穀の運化、気血の生成を促します。
三陰交で肝経・腎経・脾経を整え、百会で陽気を昇挙させます。
気海により下元の補益をはかり、気血が充足するとめまいは消失します。
4)腎精不足によるめまい・・・「百会」 「腎兪」 「太谿」 「関元」 「絶骨」
腎兪、太谿、関元により腎精を補い、絶骨で精髄を補います。
百会により精髄を頭部に昇堤し、髄海を充足させます。
関係ないですが最近のブームはゆで卵!白身が好きです

毎朝白身だけ2個。食べてます。黄身はタマゴサラダ用にして白身にケチャップです。
ぜひみなさんも。
ではまた~!