現代鍼灸を大きく3つにわけると
1 現代医学的鍼灸
2 中医鍼灸
3 日本伝統鍼灸
の3つの治療法がある
これらの治療法の特徴と欠点および3つの共通点をあげると
1現代鍼灸(鍼灸で症状をとります)
局所の病態把握や局所治療が得意
効果が比較的すぐに出る
血流改善、筋緊張緩和を目的にして鍼をさす
内臓疾患に不得意である
深い筋肉を狙った場合には太く長い鍼が必要
患者も納得しやすい治療
2中医鍼灸
理論に基づいている
証を立てると治療穴もでてくる、わかりやすい
湯液の治療を鍼に当てはめている
ひびき、鍼の強さなどが現代日本に当てはまりずらい
触診をほとんどしない
理論の研究があまりされてない
3日本伝統鍼灸
触診、腹診を大切にする
灸への応用がない
脈などで治療の完結を確認できる
治療者の自己納得になり客観性があまりない
即時の治療効果を感じにくいことも
たいていの疾患に対応できる
つきゆびに経絡治療?
脈で一定の治療の形が決まっている
経験が重要
共通点
診断法が異なっても治療部位はあまりかわらない。
西洋医学と中医学の相関性
主訴のみを対象とします。なので主訴に関連する症状以外は無視します。それから各診断は階層構造をなしていて主訴をおこす本質を追及しています。各診断は互いに相関していて分析的である。
日本の鍼灸
中国では農民、貧しい人々への治療法であった鍼であったために、頑強な体と不衛生であったために触診はほとんどせずに太い鍼できょう刺激を主にしていた。素問にあるように、そもそも治療になるまでに至ると栄養面でも衛生面(寄生虫などもいた)でも良好とはいえないので養生法や未病が重視されていた。
日本では自由診療であったために患者へ好まれる治療法となっていき、また風呂好きな文化で清潔な体であるために触診が発達してより細い鍼、鍼管が生まれたりと優しい負担のない刺激での治療となった。
そして日本の大きな特徴として諸外国にはない透熱灸がある。これは日本の艾製造技術の高さも関係しているといえる。
柔軟性があり西洋古典いろいろ折衷している。個別的治療を重視していて主訴にとらわれず、脈や触診をして取穴をして患者の体質や嗜好も考慮している。