21世紀の三大疾患は
癌!
糖尿病!
うつ病!
これの識別しっかりしましょう!
癌を見極めるポイント
1 発症機関が数か月~1年
2 階段状の悪化をしている
3 体重減少
4 夜間痛がある
5 典型症状がある
1)頸部の浮腫や怒張はSVCや肺がんを疑える
2)液体は嚥下できるけど個体はむりなのは食道がん
3)嗄声は肺がんや縦隔癌や食道癌や大動脈瘤が考えられる
4)下血は大腸癌やクローン、潰瘍性大腸炎
5)細く柔らかい便は直腸癌
6 リスクファクターがある
1)遺伝的要素や年齢 性別
2)地域 環境 人種
3)飲酒(食道 肝臓 膵臓)
4)喫煙(肺 口腔 喉頭 膀胱 食道 膵臓)
5)塩分 (胃)
6)脂肪 肉(大腸 膵臓)
7)電離放射線(肺 白血病)
8)B・C型肝炎
あわせて触診でも↓
石のように硬い、境界線はっきり、癒着して動かない、表面はなめらかでないものは悪性の疑いあり。。。
でも良性疾患でも治りにくいものもあり↓
1、古い症例
2、いろいろな治療を受けてきている
3、過去に同症状の既往が多い
4、DMなど代謝性疾患がある
5、高齢者
6、全身症状悪化例
7、疾患部位を手術している
8、心因性要因が大きい場合
9、症状部位の器質的診断がついている
治療していって改善が見られない場合も悪性疾患の疑いあり。常にいろいろな変化を見逃さないように!
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鬱。
鬱のひと、周りにいませんか??
鬱は日本で3パーセントいて、一生のうち罹患する確率は24パーセントらしいです。
そして再発は平均5回繰り返すそうです。鍼灸を受診する患者さんの2~3割が罹患していると推定されていてその半数以上が見逃されてるそうです。
精神科に対して日本は少し認知が甘いので受診に抵抗がありますよね。アメリカの4割が精神科医って知ってました?アメリカ人は健康管理として精神科も受診しているそうです。
私たちができるうつ病の判別として東京地方会学術部うつ病疑診鑑別基準を参考にしてみましょう。
1 早朝覚醒を主にする睡眠障害(睡眠薬が効かないのは要注意)
2 倦怠感 特に午前中に強く、午後に改善
3 食欲の低下
4 性欲低下
5 頭痛
6 興味喜びの喪失
7 意欲の減退
1と2プラスしてあと一個あると鬱が疑われます。
大うつ病の診断は
1 強い抑うつ気分
2 喜び興味の消失
3 食欲障害
4 睡眠障害
5 精神運動障害
6 疲れやすい気力の減退
7 強い罪悪感
8 思考や集中力の低下
9 死への思い
これが1、あるいは2を含む5つ以上がほとんど一日中2週間で
なりやすい性格(メランコリー親和性)として
社会的に模範的な人!で人と争えずに几帳面、完全主義者。。。こころあたりますか>>
増えた理由は豊かになったからとも言われていて、一人っ子で甘やかされるとストレスにもろくなり、遺伝的要因や身体的・薬剤の影響などが加わるとうつ病が発症します。
危険因子は
・女性 男の2倍
・若年者と高齢者
・被養育体験、性格、トラウマ、ライフイベントによるストレス
・両親や双子の片割れが鬱
社会の支援が危険の低下因子となる。
鍼灸の適応!
鍼灸治療は有効であるが薬剤なしでの治療を患者が勝手にしては危険。
薬剤のリスクもあるが鍼灸単独でなく専門医との連携はマストである。
効能としては脳報酬系の機能が低下しているのが鬱であるのでこれらを刺鍼によってセロトニン
放出をさせている。
治療としては
1 治療時間を利用してムンテラ(口での治療)を行い
2 患者の訴えを熱心に聴く(否定、議論、説得、激励はしない)
3 患者の自殺を防止する(医師の指示なく投薬変更しない、治療を保証する)
4 不眠のほか頭痛や肩こり、食欲不振など訴えるが本体が鬱からくるものなので軽く治療する
5 全身調整と不眠と「てあて」を局所症状に対して行う。
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鬱と神経症の鑑別
鬱も神経症も日本で増加していて、神経症は国民の3~5パーセントが罹患していてやはり女性が男性の2倍いる。
神経症とは一言でいうと身体はどこも悪くないのに痛みや動悸などの症状が出ること。症状の表れに心因が深くかかわっている。
・・不安障害 PTSD パニック障害 身体表現性障害などなど
| 神経症 | うつ病 | |
| 顔つき | 訴えが多いが元気がよい | 言葉少なくげんなり |
| 食欲体重 | 食欲不振もいるが間食していて体重もかわらない | 食欲全くなく体重減少 |
| 不眠 | 訴える人も多いが、入眠困難が多い | 不眠必発、早朝覚醒型の不眠 |
| 気分の日内変動 | 日内変動なく常に訴え良悪をくりかえす | 朝方具合わるく夕方持ち直す |
| 自殺 | 口にすることがあるが実行にうつさない | しばしば自殺をくわだでる |
| 性格 | 自分本位で他罰的 | 他人本位で自罰的 |
| 治療 | 薬より精神療法 | 抗鬱剤 |
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糖尿病
最後に糖尿病!
ここ50年で30倍に増加した糖尿病
摂取カロリーは変わっていないが脂肪摂取量が4倍に。肥満者が5倍の2300万人に。
ここで問題になるのが糖尿病。日本人の体質は脂肪を摂取するようにはできていないので、遺伝的にインシュリンの分泌能が低いと言われています(欧米人の半分)なのにたった50年で高脂肪食生活にさらされて運動不足のダブルパンチで糖尿病が増えてしまいました。
果物は体にもよいが今のは甘すぎるしとりすぎてもいるので注意です
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合併症
最小血管障害が3大合併症として言われている
①神経障害 ・・・神経や自律神経
②眼障害 ・・・網膜症に白内障に緑内障
③腎障害 ・・・全身や局所の浮腫に関節痛
それに大血管合併症(高血糖に酸化ストレス)として虚血性心疾患や脳血管障害と足病変などがある。
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糖尿病の識別診断
1多尿(数年で終わる)
2口渇 多飲
3過食
4全身倦怠感
5体重減少
6易感染(皮膚のかゆみできもの)
http://www.nagayoku.com/solution/
また耳下腺が肥大したり、シンスポットといわれすねに光沢のある褐色のしみができたりします。
手根管症候群で一番多いのが糖尿病であり、アルツハイマー型認知症も糖尿が原因になることもあります。
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検診の数値
今指標としてヘモグロビンA1cが使われていますが、優が6.2以下で6.9をこえるころから最小血管障害が出始め8.4で急激に増加します。
大血管障害は6.9以下でも出てくるがそれ以上になっても急激には増加しません。食後高血糖と心血管死亡率が関係しているので食後高血糖を見逃さないことが大切である。
アメリカ人は空腹時血糖値(FPG)で糖尿診断が7割正しく診断されるのに対して、インシュリンが少ないために食後高血糖(GTT)が高くなりやすい日本人はFPGでは糖尿病であるのに見逃されてしまっていることが多い。
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癌と糖尿の関係
糖尿の患者ががんで死ぬ確率は糖尿でない患者ががんで死ぬ確立に対して男性で1,27 女性で1.21罹患率が上昇する。
男性・・・肝がん2.24 腎がん1.92 膵癌1.85
女性・・・卵巣がん2.42 肝がん1.94 胃がん1.61
これは10年で見たスパンで
もし30代で糖尿になった場合は40でこのリスク60では2.5倍とリスクは高まっていく
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運動と糖尿
運動効果は血中のインスリン量と抵抗性を下げる。
食後に散歩(早歩き以上)はとてもよい。
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糖尿と喫煙と癌
ブリックマン指数(一日のたばこの本数×年数)で400をこすと死亡率が急激に高くなり、若いうち(30以前)からの喫煙は遺伝子を傷つけてしまっているので癌やCOPDになりやすい。
男性が寿命が短いのもこれが関与しているといわれ、酒とたばことストレスが死亡原因にかかわっているとされて男性のほうが女性より寿命が長いのは唯一イスラムのみで、ここはイスラム圏でたばこも酒も男性がしないからと考えられている。
今後女性の喫煙率が上がっている日本では寿命の逆転が起こるかもしれない。
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癌と糖尿と鬱は死のトリプルパンチ
すべての疾患は免疫力の低下を生み相互に関係している。
生活習慣がDM、癌をつくり、癌は鬱を生み、鬱は免疫をさげストレスに脆弱になり・・・と負のスパイラルに
生活習慣病といわれるのであれば生活習慣を改善することで予防できる、養生できるともいえる。
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患者さん、もちろん自分でも気を付けて元気に年を重ねて楽しい日々をおくりましょう!!
私も認識があまく、母の糖尿に対しても甘く考えてしまっていたので後悔しています。
12年前に脳出血で倒れて(おそらくその時の原因も糖尿だったのだと)意識が回復してから1年後に糖尿と診断され、また
糖尿病で入院しました。それからインシュリンを打っていたのですが、シンスポットがでたとき(すねのシミ)麻痺側だったので、総合お医者さんも湿布の張りすぎか血行不良と言っていて、耳下腺のはれも太っているからと言っていました。糖尿が脳血管障害を生むことも考えていませんでした。
けれどこれらは自分でかからないようにできる病でした。健康は自分だけのものでなく、周りのためにもきちんと自己管理しないといけません。
患者さんに叱るのも難しいかと思いますが、24時間患者さんを管理するのは患者さん自身です。本人の自覚自制がとても重要になるのでその動機つけ、応援が大切かと思います。
わかりやすい厚生労働省の糖尿予防のリンクです。
↓
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/seikatu/tounyou/prevention.html
こちらも糖尿が怖いのか。。。とわかるサイトです。
http://www.nagayoku.com/solution/
