関節リウマチ 東洋医学的治療の考え方 | ハグセラピー始めます。

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気候条件や生活環境の変化が原因で急にリウマチがはじまることも

 もともと気や血が不足していなくても、寒さの厳しいところや湿度の高いところで暮らしたり、季節はずれの風にあたるなど、からだの適応能力を超えた気候条件や生活環境の変化を受け続けると、関節の気や血や津液の流れが滞って、リウマチになる人もいます。

 このような、外因の影響によってはじまる関節リウマチは、急性で激しい症状を示します。しかし、時間の経過とともにからだの衰えが進むと、内因の影響が大きくなるとともに、「痰濁」や「瘀血」などの病理産物による弊害も加わって「虚実挟雑」の慢性関節リウマチになっていきくそうです。




 関節リウマチが慢性化すると、気や熱エネルギー、津液の通り道である「三焦」と、陽気や血が循環する「血絡」の流れが滞り、三焦では痰濁が、血絡ではオ血が生まれます。痰濁とオ血が互いに結びつくと、リウマチ結節や関節の腫脹、さらに変形がおこり、関節が固定されて、関節を屈伸することが極端に制限されるように。





腎や肝の働きが衰えさらにからだの中で生まれた発病因子が集まると、関節や骨が変形する

 関節リウマチの経過が長びくと、生命活動のおおもととなる精をたくわえる腎や、血をたくわえる肝の働きが慢性的に衰える「肝腎虚損」の状態になります。


 肝腎虚損には、陽気が慢性的に不足する「陽虚」と、精や血あるいは津液が慢性的に不足する「陰虚」の、二つのタイプがあります。

 陽虚は、もともと陽気が不足しているため、ふだんから冷えやすいタイプです。このような人は、寒邪が風邪や湿邪とともに侵入して、寒性の関節リウマチがおこりやすいのですが、寒邪は滞ると熱を帯びてくるので、寒と熱がまじった症状が現れるようになります。


 陰虚は、血や津液などの「陰液」が不足しているため、相対的に余った陽気が熱邪に変わって、からだの中にこもりやすいタイプです。陰虚の人は、熱性の関節リウマチがおこりやすいといえます。


 また、この段階になると、湿邪は痰濁に生まれ変わり、血の流れが滞って生まれた瘀血と結びついて、骨や関節に付着して固まるため、リウマチ結節や関節の変形もおこるようになります。こうなってしまうと、完全に治すことは難しくなります。



治療の考え方★


症状から


1、風寒湿のリウマチ


 湿邪が中心になる場合には、特定の関節が重くしびれるように痛み、むくむことが多いので、「着痺」と呼ばれます。

 このタイプの人は、もともと陽気が不足しているのに加えて、湿によって、消化や吸収を行う「脾胃」の働きが衰えるため、胸苦しい・食欲不振・下痢ぎみといった「脾失健運」の胃腸症状も現れます。また、舌が淡い色になって白い苔がつき、脈が濡緩になります。


 湿の症状がかなり強いときは、脾胃の働きを補って湿を除く力を強と効果的です。


2、寒を中心におこる風寒湿のリウマチ

 寒が中心におこる痺証は、特定の関節がひきつって曲げのばしをしにくくなり、切られたり刺されるように強く痛むので「痛痺」と呼ばれます。

 痛みは、日中は弱く夜間に強く、冷えると激しくなり、温めるとやわらぎます。また、舌に白い苔がつき、脈が弦緊になります。このときは、寒を中心に風湿を合わせて除く治療が効果的です。



3、熱によって起こるリウマチ

 熱が風湿とともに侵入したり、侵入した寒が熱に変わったためにおこる寒熱錯雑のリウマチは、関節が赤く腫れて、痛みが強いにもかかわらず、冷やしても必ずしも効果がないのが特徴です。また、のどが渇いて冷たいものを飲みたい・大便が乾燥して便秘ぎみなどの症状も現れます。 



3、慢性化して関節が変形するほど進んでしまったら



 リウマチが慢性化してかなり時間がたつと、滞った津液や血から変化した痰濁や瘀血が、関節の周囲に強く結びついて固まるため、リウマチ結節ができたり変形して腫脹します。

 この「痰オ互結」と呼ばれる状態になると、曲げのばしが非常に難しくなって、痛みやしびれが激しくなり、関節が冷たくなって、冷えが強くなると痛みが強くなり、温めると痛みがやわらぎます。また、舌にオ斑と呼ばれる暗い紫色の斑点が現れ、脈が渋細になります。

 さらに、オ血が多いときは、関節が赤く腫れ、口が乾くのに水分を少ししか飲めない・固定性の鋭く強い痛み・ときに紫斑が現れる・舌が暗い紫色になるなどの症状をともないます。
 この場合は、痰濁や瘀血を除いて経絡や血絡の通りをよくして痛みを止める治療や、血虚をともなうときは、血を補う治療を行います。


4、生まれつきからだの弱い人や高齢者は気や血を補う


 生まれつき気や血が不足ぎみだったり、大きな病気や加齢などが原因で、リウマチをおこした病邪を除くことができないと、病邪の影響をたえずうけるようになります。

 こうして病邪が気や血を消耗しつづけると、やがて気や血が慢性的に不足した状態になるため、正虚邪弱の慢性関節リウマチとなります。
 病邪の力も、からだの力も弱いので、症状は軽く、痛みも激しくありませんが、顔色が青白くくすんでいる・ため息・話すのがおっくう・力が入らない・じっとしていても汗をじっとりかく・胸がどきどきする・よく眠れない・唇や舌の色が淡い・脈が細弱などの症状をともないます。
このときは、気と血を補う治療を行います。


  気や血の不足がつづくと、瘀血が生まれ、熱を帯びるようになるので、関節の痛みが昼間は軽く、夜は重くなります。このような「瘀滞化熱」の症状をともなうときは、血の流れを回復して湿熱を除くことも必要です。

5、からだが冷えやすい人


加齢や大きな病気などで腎や肝の働きが衰えたり、気血が不足すると、からだが冷え、関節が腫れて変形し、筋肉がけいれんして、顔が青白くつやがない・手足の冷え・腰やひざがだるく力が入らない・尿の量が増える・明け方の下痢・舌が淡い色になる・脈が沈弱などの症状をともないます。この場合は、腎や肝の気と血を補いながら風湿を除くことを考えます。 

 風寒湿の病邪が主な原因となってはじまる関節リウマチのうち、風邪が中心となるときは、痛みが移動しやすいという特徴から、「行痺」と呼びます。この場合は上半身の関節に症状がおこりやすく、ときどき悪寒がする・発熱・舌に白く薄い苔がつく・脈が浮緩などの症状をともなうことが特徴です。




6、熱のこもりやすい人の慢性関節リウマチに
 リウマチが長びくと、腎にたくわえられた精や、肝にたくわえられた血などの陰液が不足して、相対的に余った気が熱に変わります。

 そのため、関節の筋や腱、骨が栄養不足となって干からび、関節がひきつって痛みます。こうした陰虚による慢性関節リウマチでは、ふらつき・めまい・耳鳴り・物忘れ・夢をよくみて眠れない・のどが渇いて口が乾く・夕方の発熱・腰やひざがだるく力が入らない・脇が痛む・いらいら・頬の紅潮・寝汗・遺精・経血量が減る・大便が堅い・舌が紅く苔が少ない・脈が細数などの症状をともないます。


 治療は、腎の精や津液を補って熱を冷ますことと、熱の症状が強いときは、熱を冷ます治療も加えます。