経営の神様・松下幸之助には、採用や人事において、独特の判断基準がありました。
それは、「運の良い人を選ぶ」ということです。
重要な経営判断をする場面で、「運」という、一見あいまいで非科学的な要素を導入することに対しては、違和感や反感をもつ人も少なくないでしょう。
そもそも、運の良い人と悪い人をどうやって見分けるのか、という問題もあります。
そうした疑問に対して、松下は「見ればわかります」と答えています。
ある意味、何ら答えになっていないようにも思えますが、その後には、とても示唆に富んだ言葉が続きます。
「運の良い人は、自分で自分のことを運の良い人間だと信じている」と。
石に躓いて転んだ時、「誰だ、こんな所に石を置いたのは」「ああ、今日は朝からついてない…」と「不運をなげく人」がいます。
一方で、「ああ、大ケガせずに済んで良かった」「これで厄払いができた。きっと今日は良いことがある」「子供やお年寄りが転ばなくてよかった」と、「幸運に感謝する人」もいます。
要するに、運・不運の分岐点は、「石に躓く」という同じ出来事に対する解釈の違いにあるということ。
人の羨むような「幸運」に恵まれていても、不平不満が先行し、自らの不運を嘆き続ける「不運な人」もいれば、どんなにきつい状況に置かれても、その中に幸運のかけらを見出せる「幸運力」の高い人もいます。
松下自身、「学歴がなく、病弱だったことが成功につながった」と、その自らの「幸運」について述懐しています。(先回の投稿参照)
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□書籍のご紹介
『1分間松下幸之助』
逆境を力に変える不屈の人生哲学77
小田全宏著
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