陽転思考の達人 過去と現在の賢人たちに学ぶ実践的アクティブ・ブレインの生き方 -17ページ目

陽転思考の達人 過去と現在の賢人たちに学ぶ実践的アクティブ・ブレインの生き方

記憶術×陽転思考の<a href="http://www.oda-abs.com">アクティブ・ブレイン・セミナー</a>を受講した方限定のメルマガ「ウィークリーコンパス」の中から「陽転思考の達人」のみを抜粋し公開しています。

●弱音は吐くものではない。呑み込むものである

改革者であり先駆者であろうとする者は、たいていの場合、その時代から何かと非難を浴びるものです。
ソフトバンク社長・孫正義に対しても、称賛する人と同じくらい批判する人もいました。

そうした批判をものともせずに突っ走るリーダーもいれば、謙虚に耳を傾けてそれを逆利用してしまう人もいます。
どちらかというとスティーブ・ジョブズは前者だったでしょう。

孫も、強引な経営者のようなイメージを持たれがちですが、次の言葉にあるように意外と後者のような面もあります。

「高次元の批判は成果を高め、低次元の批判は忍耐力を高めてくれる」(ツイッター @masason 2010.8.18)

これまで7回にわたって紹介してきたように、孫の場合、困難を避けるというより、むしろわざわざそこに向かって行くような生き方をしてきた感じもあります。
彼のツイッターから、いくつか興味深い言葉を拾ってみましょう。

「弱音は吐くものではない。呑み込むものである」
「努力しても報われないなあと感じ嘆く時、大抵の場合は、まだ本当の努力をしていない」

有名人の常として、言われなき誹謗中傷に曝されたり、ときには落ち込むときもあったでしょう。それでも決して人や世の中のせいにせずに、じっと耐えながら前進のチャンスを掴もうとしています。

「革命の途中は、大抵ボロボロになるものである」
「強風の中、必死に岩にしがみついてじっとしている細い糸トンボを見つけた。何を思い何を耐えているのだろう…。すると風や止んだその一瞬に大きく羽ばたいた。そうか、これだ!」

成功のための資質として、孫は「成功する者と失敗する者の異いは、頭の差より性格の差の方が大きい」と語っています。
陽転思考的に言い換えれば、「頭の差より、頭の使い方の差の方が大きい」ということになるでしょう。

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●難題に遭遇しないのはまだ自分の可能性に挑戦していないから

先回紹介したブロードバンド革命以上に、孫正義が大きな決断をしたのは2006年のボーダフォン買収でしょう。

巨人ドコモと、それを追うauの戦いの中で、ボーダフォンはまさに蚊帳の外にいるような状態。経営状態が上向く可能性は絶望的な状況にありました。
それを引き継ぐのはきわめてリスキーな経営判断であったことはいうまでもありません。買収金額は1兆7,500億円。日本企業による買収金額としては最高額でした。

当時50歳を間近に控えた孫は、一生贅沢な暮らしをしても、とても使い切れないほどの個人資産を有していたはず。それがもし携帯電話事業が失敗したら――倒産や自己破産さえ覚悟したかもしれません。
彼はなぜそんな無謀とも思える危険な賭けに出たのでしょう。

本メルマガ「陽転思考の達人:孫正義(6)」でご紹介した【人生50ヵ年計画】には「40代でひと勝負する」とありました。
2001年、40代半ばの時のブロードバンド革命は、おそらくその「ひと勝負」のつもりで取り組んだのではないでしょうか。
それが、40代最後の年に、より大きなふたつ目の勝負に出たのです。
しかも相手は、またも巨人・NTTドコモです。

ちょうどその頃、携帯各社間で電話番号を移行できる「ナンバーポータビリティ制度」が始まったため、多くの人がソフトバンクは草刈場になると「予言」し、孫は非難の的にされました。

それでも彼は、難題をあえて迎え撃つように挑戦したのです。そして「義と利のバランス」を取りつつ、ソフトバンク同士は通話時間に関わらず定額にするなど大胆な料金戦略を提示し、ユーザーの心を掴みます。

「難題に遭遇しない人は、自分の可能性に挑戦していないのかもしれない」(ツイッター@masason 2010.7.20)

結果は「草刈り場」どころか、むしろ純増数TOPという快進撃を長期間にわたって続けることになるのです。
ヤフーBBのときと同じように、ソフトバンクの参入によって携帯料金はぐっと下がり、ドコモユーザーもauユーザーもそのメリットを享受することになりました。

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●義と利が対立した時は義を取る

2001年、孫正義は傘下のヤフージャパン等を使って、ブロードバンド革命を引き起こします。

それまでインターネット接続は、時間に応じて料金が増えていく従量制がほとんどでした。専用回線による常時接続もありましたが、とても高額でした。
そのうえ回線スピードも遅く、動画再生はおろか画像表示にさえ相当な時間がかかりました。その原因は、NTTによる電話回線の独占にありました。

日本経済の発展のためにはインターネット接続のブロードバンド化が必須であることを確信していた孫は、ADSLによる常時接続を破格料金で提供する「ヤフーBB」を開始します。
(ADSLは一般のアナログ電話回線を使用してブロードバンドを実現するシステムのこと)
その料金は、当時のナローバンド(ADSLに比べて10分の1以下の速度)よりも安価でした。

さらに衝撃的だったのは、その接続ためのハードウェア(モデム)を街頭で無料で配ったことです。そのなりふり構わぬ営業姿勢に、批判的な意見をする人も少なくありませんでした。
しかし結果的に、それによりブロードバンド化、常時接続化、低料金化は一気に加速され、今ではそれが当たり前のようになっています。

その採算を度外視したかのような経営が投資家の不安を呼び、当初はソフトバンクやヤフージャパンの株価も下がり続けました。
目先の利益を考えたら、普通はありえない戦略だったでしょう。じっさい誰もそれをやろうとはしませんでした。

しかしそこで孫が見ていたのは、より将来を見据えたビジョンであり、さらには自社を越えた日本経済全体のことだったのでしょう。
もし孫がいなかったら、日本のブロードバンド化はあと数年も遅れ、それ以降急成長を遂げたIT関連企業も生まれなかったかもしれません。

「義と利は多くの場合両立出来る。 義と利が対立した時は義を取り、義と義が対立した時は大義を取る」と孫はツイッターで語っています。
そしてブロードバンド化による常時接続は、誰もが望むことであり、まさに「義」でした。
現在、日本は世界有数のブロードバンド大国になっています。

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●脳は強い願望を持つと活性化される

会社設立草創期の頃、孫正義はリンゴ箱の上に立ち「大ぼらのような夢」を語り続けたという話を、本メルマガ「孫正義 2」で紹介しました。
それは「売上高は5年で100億、10年で500億。いずれは豆腐のように、一丁(兆)、二丁(兆)と数えたい」という途方もないものでした。

しかしそれは単なる願望や強がり、思いつきではなく、孫がまだ学生だった19歳の頃に決意し温めてきた壮大な人生計画に基づいたものでした。

【人生50ヵ年計画】「20代で名乗りを上げる。30代で軍資金を貯める。40代でひと勝負する。50代で事業を完成させる。60代で次の世代に事業を継承する」(ソフトバンク公式サイト「孫正義の歩み」)

「30代の軍資金」について『志高く 孫正義正伝』では、「30代で、最低1000億円の軍資金を貯める」と、具体的な金額まで提示してあります。
人生設計に限らず、あらゆる仕事において時間を区切ってスケジュールを立てることを、孫は大切にしています。

「ある有名なアーティストの話、『〆切無しに作品は生まれない。』 正にその通り。何事も期限を付けねば物事は決まらない。完成しない場合が多い」(『孫正義名語録 情熱篇』)

人間は誰もが強靭な意志をもっているわけではありません。だからこそ、夢を書き出したり、達成スケジュールを決めて、あえてその「決まり事」に拘束されることで、自分を厳しく奮い立たせることができるものです。
そのとき、漠然とした夢は、より具体的な目標となって、自分を引っ張ってくれるようになるでしょう。

志を立て、その実現をイメージしつつ、強い気持ちで前身し続けるならば、たいていの夢は叶うということを孫の人生は証明しています。
彼の次の言葉は、まるでアクティブ・ブレイン・セミナーで語られたのではないかとも思えるような内容です。

「脳は、強い願望を持つと活性化される」
「雨と晴れは必ずやって来る。大切な事はその両方を幸運だと捉える心構えだ」(いずれも「孫正義ツイッター@masason」)

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●孫正義 VS ジョブズ--共通点と相違点

孫正義がソフトバンクの前身となる会社「ユニソン・ワールド」を立ち上げたのは大学を卒業してからのことですが、そのビジネスの才覚は、すでに学生時代において頭角を現していました。

自らが考案した自動翻訳機を大手家電メーカーのシャープに売り込み、そこで1億円もの大金を手にしています。企画自体は10代の頃から手掛けていたものでした。

その資金を元手にユニソン・ワールドのさらに前身ともいえる「Unison World」をアメリカで設立。当時、日本で大流行していたインベーダーゲーム機等を日本から輸入販売し、これも時代の波に乗り大成功を収めます。

その頃、孫はまだカリフォルニア大学バークレー校の学生。2歳年上のビル・ゲイツとスティーブ・ジョブズは、既にそれぞれIT業界で頭角を現していました。
本メルマガ「孫正義 1」では、孫とジョブズの共通点を取り上げましたが、今回は、異なる面に注目してみましょう。

経営者というより芸術家あるいは求道者的な側面さえあったジョブズに比べて、孫は、まさに徹底的に事業家であり経営のスペシャリストであるということができるでしょう。

ジョブズは、時代に合うか合わないかということより、とにかく自分の作りたいものを作るという人でした。市場のニーズやマーケティングデータよりも自らの直観を、コスト感覚よりも美的感覚を常に優先しました。
もし、それが時代に受け入れられなければ、あるいは大失敗した可能性も少なくありません。生存中はたった1枚しか絵が売れなかった天才ゴッホのように。

一方、孫は時代のニーズやユーザーの声にとても敏感に反応します。ツイッターに寄せられたコメントにも気軽に応えています。
場合によっては、すぐにその指摘や要望への対応策を実行に移したりしています。彼の「やりましょう」というツイートをまとめたサイトもあるほどです。

もちろん売上を伸ばすためという計算や、会社のイメージアップという経営戦略的な考えもあるでしょう。
しかし彼が率直にツイートする言葉からは、「相手が喜んだり驚いたりする反応を見たい」という、どこか粋な気質も感じられます。

彼のツイッターは、フォロワー数200万人を越える大人気アカウントとなっています。

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