本田宗一郎は「知識」よりも「考えること(思考力)」を重視しました。
どんなに豊富な知識をもっていても、それを臨機応変に使いこなすことができなければ、あまり意味はありません。
場合によっては、古い知識にとらわれて新しい発想が出てきにくくなってしまうという問題もなきにしもあらずです。
ちなみにアクティブ・ブレイン・セミナーにおいても、記憶力を高めるのはそれによって知識の量を増やすためというより、むしろ「脳の使い方」をマスターすることに重点を置いています。
(もちろんその結果として記憶力も飛躍的に向上するということはご存じの通りです)
本田は、知識をひけらかす人を批判して次のように述べています。
『「ああ、わかった。だけどあんたの持ってる知識は、それみんな過去のことなんだよ」といってやることにしている。
「おれが知りたいのは、未来なんだ」 未来というのはたしかに過去とつながっているものであるから、あくまで便宜上、過去を知るということは必要だ。
ただし、われわれが本当に知りたいのは未来である。知識というのは、それを使って未来を開拓するのでなければ価値はないのだ』(『やりたいことをやれ』本田宗一郎著)
過去の成功体験や知識、データにとらわれることの弊害を、本田は常に問題視していました。
『「若さ」とは、一言でいえば過去を持たないことだ。なまじっかの知識がないからこそ、いつも前向きの姿勢でいられるのだ。
そして現実を直感的に受けとめ、こだわりのない新鮮な心で物事を見つめていくのだ。それが「若さ」の最大の特徴である』(同)
一般に企業にとって尊重されるべき「伝統」でさえ、もし、それに縛られて未来へのビジョンが失われるようであれば、無用のものであると本田は考えていました。まさに徹底した未来志向です。
『本田技研がなぜここまで伸びたかといえば、本田技研には伝統がなかったということがいえると思う。過去がないから未来しかない。それだけに、古い過去のひっかかりにわずらわされずにのびのびとやれた。
(中略)強いて伝統という言葉を使うならば、伝統のない伝統、「日に新た」という伝統を残したい』(『ざっくばらん』本田宗一郎著)
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□書籍のご紹介
『やりたいことをやれ』
本田宗一郎著
『ざっくばらん』
本田宗一郎著
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