上杉鷹山がいかにして米沢藩を崩壊の窮地から救ったのか。
その具体的な方法論については、解説書がたくさん出ているので、そちらをご一読いただくとして、本メルマガで最も注目したいのは、彼の陽転思考的な発想法です。
財政再建のためには、どうしても財政を縮小する必要があります。
しかし、そうすると領民の心は一層萎縮して、さらに経済は悪化の一途を辿るという悪循環に陥ってしまいます。
そこで鷹山は、心まで冷え込まないように、むしろその改革を自ら楽しむことで乗り越えようとします。
「彼は、自分の経営改革は、決して藩政府を富ませるためにおこなうのではなく、むしろ、藩民を富ませるためにおこなうものでなければならない、と思うようになった。そう思うと、彼の胸は膨らんだ。
つまり、経営改革が、陰気で勤倹節約だけを主目標にした、じめじめした暗いものではない、
むしろ全藩民が藩主と一緒になって、厳しいけれども前途に希望をもっておこなう楽しい事業である、とさえ思うようになったのである」(『上杉鷹山の経営学』童門冬二 著)
鷹山の藩政改革の最終目的は、藩が富むことよりもまず領民が富むこと、領民に笑顔が戻ることにありました。
それはリーダーとして倫理的にも高く評価されることではありますが、それ以上に「そのほうが楽しい」という感覚を共有し、持続するためにも有効に機能したと考えられます。
「財政再建」をイメージするのはとても難しいけれど、領民が笑顔で明るく暮らしている姿であれば、容易にイメージし共有することができたでしょう。
目標を具体的にイメージすることは、夢実現に向かう強力な推進力となるということは、アクティブ・ブレイン・セミナーの中でも繰り返し語られる成功の秘訣です。
「木によく肥料をほどこすならば、労せずして確実に結果は実ります。
「民を愛する」ならば、富は当然もたらされるでしょう。
「ゆえに賢者は木を考えて実をえる。小人は実を考えて実をえない」。
このような儒教の教えを、鷹山は、尊師細井から授かりました。」
(『代表的日本人』内村鑑三 著)
結果を出そうとするならば、結果よりも原因を、実績よりも人材を大切にする。財政を豊かにするためには、まず領民の心を豊かにすることが先決――鷹山の念頭には常にそうした本質を志向する考えがありました。
┌──────────┤書籍のご紹介├┐
□『代表的日本人』 内村鑑三著
□『上杉鷹山の経営学』童門冬二 著
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