花粉
が気になる季節になってきましたが、皆様、お元気でお過ごしですか?
今回で2回目となるこのオハナシ。前回はカリフォルニア州を例に、スペイン
の入植の名残についてお話をしました。
今回は、カナダ
東部とアメリカ
南部に残る、フランス
の名残についてお話します。
まずはカナダ東部。地図を広げてみてください。ニューヨークの北にMontreal(モントリオール・フランス語発音ではモンレアル)という町があります。ここはSt Lawrence River(セントローレンス川)沿いの町なのですが、そのSt
Lawrence Riverに沿って、QuebecCity(ケベックシティー)に向かって北東に進んでみてください。Saint-Sulpice(サンシュルピス)、Pointe-Du-Lac(ポワントデュラック)など、フランスにもある地名が見られると思います。湖の名前にもLac-Saint-Pierre(サンピエール湖)とフランスっぽい名前がついているし、Trois-Rivières(トロワリヴィエール)は、フランス語で3つの川
という意味です。
1500年代初頭から、フランスの王様
の命により、探検家が今のカナダに送り込まれ、Cartier(カルティエ)という、日本人にはお馴染みの高級ショップと同じ名前の探検家が、このセントローレンスリバー流域を探検、1500年代半ばには、この一帯はフランス領となりました。ですから、今でもこのあたり(ケベック州)の地名にフランスの名残が見られるし、何よりも、この地域の公用語は現在でもフランス語です。その後カナダの領土をめぐりフランスとイギリスは戦争を始め、結局カナダはイギリス領になりますが、ケベックでは、フランス系移民の信じるカトリックが容認されたため、今でもフランス色が色濃く残る地域となったのです。(ちなみにイギリス国教会はプロテスタントです)
ところが、フランス系移民の中には、イギリスの入植により、住んでいた場所を去らなければならない人たちもいました。
現在のNova Scotia半島あたりに住んでいたそうした人々は、新天地を求めて移住します。彼らのことをAcadianと呼び、彼らが向かった先の一つがアメリカ南部のルイジアナ州です。
ではなぜ彼らはルイジアナに向かったのでしょうか。それはルイジアナでもフランスが入植を進めていたからです。ルイジアナは、今でもアメリカの州の名前になっていますが、フランスの王様ルイ14世
にちなんで名づけられました。また、当時のFrench
Louisiana(フレンチルイジアナ)と呼ばれる地域は、現在のルイジアナ州よりもうんと広い地域でした。それはMississippi
River(ミシシッピ川)流域とその周辺までにおよび、南北は五大湖からメキシコ湾まで、東西はアパラチア山脈からロッキー山脈まで広がっていました。現在のセントルイス(ルイ9世にちなんでサン=ルイSaint-Louis)、デトロイト(le détroit du Lac Érie エリー湖の狭い水路), バトンルージュ(=赤い杖)などは、フランス起源の名前です。
また、ミシシッピ川の河口に位置するNew Orleans(ニューオーリーンズ・フランス名ではLa Nouvelle-Orléansヌーベルオルレアン)には、今でもFrench
Quarter(フレンチクオーター)という地区があります。
北米大陸に、こんなに広大な土地を有していたフランスですが、やがて国力が落ち、スペインと、アメリカ東部に入植を進めていたイギリス(のちのアメリカ合衆国)がその後、この地域の覇権を争うことになっていきます。
さて、最後に余談ですが、カナダからルイジアナに移ったAcadiaの人々。その子孫が、今Cajunと呼ばれる人たちです。ケイジャン料理
は日本でも有名ですね。
2回にわたってお送りした北米大陸の地名に関するオハナシ。いかがでしたか?
ちょっと歴史的な説明が多くなってしまいましたが、地図を見るのが大好きな私は、歴史を知って地図上でそれに関する発見があるとハッピーになります。
もし、世界のどこかに日本語由来の地名を見つけたらうれしいですね。
これは!っていう地名を知っていたら、是非教えてくださいね!