男女では痛みの感じ方が違うようだ:ミクログリア細胞とT細胞 | アクティブエイジング アンチエイジング

[予想外、男女では痛みの感じ方が違うようだ、根本的に異なる可能性]

(Medエッジ  2015年7月16日)


<これまでオスの実験に基づいていたが>
驚くべきことに、オスとメスのネズミでは、痛みを感じるシステムが異なって
いると分かった。



<痛いと感じるメカニズム>
カナダ、マギル大学のジェフリー・モギル氏らの研究グループが、神経学の
専門誌ネイチャー・ニューロサイエンス誌において2015年6月29日に報告
している。

これまでの研究では、男性と女性では痛みに対する感受性が異なっていて、
女性の方が男性よりも慢性的な痛みを経験していることが多いと言われて
きた。

しかし、これは痛みを感じるメカニズムが男女でいつも同じであるという
仮定に基づいていた。



<同じ痛みを感じていない?>
ケガや炎症での痛みは、「ミクログリア細胞」という免疫細胞によると
見られていた。

研究グループはミクログリア細胞の機能をさまざまな方法で妨げる実験を
行って痛みのメカニズムを調べた。

驚くべきことに、ミクログリア細胞の機能をいくら変えても、メスのネズミの
痛みには影響が見られなかった。
オスだけに通じる仕組みだった。



<鎮痛薬も男女別か>
研究者によると、メスのネズミの場合、ミクログリア細胞ではなく、
「T細胞」というまったく異なる免疫細胞が痛みを伝える役割を果たしている
可能性がある。


この研究はネズミでの結果ではあるが、ネズミは人間ととても似ている神経
システムをもっている。
人間の鎮痛薬でも男女差があるかもしれない。

今後の研究では、男女を分ける必要があると研究グループは見る。
痛みと男女差が注目されそうだ。






https://www.mededge.jp/a/psyc/16131