[両目『テトリス』プレイで成人の弱視が治る可能性
— マギル大学研究者らが発表]
(インサイド 2013年4月23日)
カナダはモントリオールのマギル大学とマギル大学医療センター研究所の
研究者らが、世界的パズルゲーム『テトリス』にて成人の弱視 を治療できる
可能性があると発表しました。
ゲームで弱視治療といえば3年ほど前の類似した事例あります。
<『テトリス』は誰でも簡単に遊べるパズルゲームとして最も有名>
今回の研究成果で特徴的なのは、通常の治療法が片目にアイパッチを着けて
もう片方の目に負荷をかけるものだったのに対し、高速なパズルゲームである
『テトリス』を使うことにより両目へ働きかけたという点。
マギル大学医療センター研究所とマギル大学で眼科研究部のディレクター
などを務めるRobert Hess博士は、「現状では成人の視力を回復させる方法は
現状存在しないが、手がかりとなるのは2つの目を同時に特定のタスクを
動かすコンディションにすることだ」としています。
また、成人の脳は有意な可塑性を持ちあわせており、それは幼年期に受けた
問題で失われた視力を取り戻すための土台となりうると強調しました。
具体的な研究内容として、まず被験者は18名。
9名を正常な目にアイパッチをあてて弱視の目でゲームをプレイさせました(monocularly)。
残る9名には同じゲームを両目でプレイさせました(dichoptically)。
2週間後、両目でゲームをプレイしたグループには3次元的な知覚において
劇的な改善がみられました。
また、わずかな改善しかみられなかったmonocularly群も、両目での
トレーニングにスイッチしたところ、同様の効果があったとのこと。
Hess博士は「両目を同時に働かせるよう強制することが弱視を改善すると
信じている」としています。
ただし、子どもに対して同様の結果が得られるかどうかは不透明。
同研究は今年末に北米での臨床試験で審査される予定です。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130423-00000031-isd-game