赤ちゃんは実は教えたがり | アクティブエイジング アンチエイジング

<赤ちゃん>「教えたがり」…受動的な子供観見直しも

(毎日新聞  2014年9月12日)


1歳半の赤ちゃんが「あのおもちゃ、見たことないでしょ」などと相手に
とって未知の物を推測し、指をさして教えていることを九州大の研究チームが
初めて解明した。

赤ちゃんが人に教えたがることを示しており、子供は大人から教わるだけと
いう受動的な子供観を見直す研究として注目される。

11日、米オンライン科学誌プロス・ワンに掲載された。



<九大研究チームが実験>
九大の橋弥和秀准教授(比較発達心理学)らは、生後13~18カ月の赤ちゃん
計32人を対象に2つの実験を比較した。

ボールや鈴などおもちゃ12個を準備。

例えば、ボールで大人と1分間遊んだ後、その大人の背後にボールと鈴の
2つを見せるなどおもちゃを替えて繰り返した。
ボール遊びをした後は、鈴を指さすなど赤ちゃんは計64回のうち41回
(64%)は遊んでいない方のおもちゃを指さした。

一方、ボール遊びの後で、遊んだ相手とは別の人が来て背後にボールと鈴を
置くなどしたところ、遊んでいないおもちゃを指さしたのは63回中30回
(48%)で、遊んだおもちゃとの差はなかった。

この傾向は、赤ちゃんがおもちゃに注視する時間から、おもちゃに関する
好みとは関係ないことも確かめた。


この結果から、赤ちゃんは目の前の大人を認識し、相手にとって未知の新しい
物を指さして教えていると分かった。
大人同士の会話で「これ、知っている?」と相手の注意を引くのと同じで、
教えたがる欲求を持っていると考えられる。


橋弥准教授によると、近年、乳児が教わる側として有能であることを示す
研究成果は多い。
しかし、今回の研究は1歳半の時点で相手の認識を推し量る能力を備え、
自発的に情報を提供していることを示している。
橋弥准教授は「教えたがるという新しい子ども観を示すことで教育活動にも
影響を与えるだろう」と話している。




【関東晋慈】





http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140912-00000009-mai-soci