ある薬が女性では効くのに、男性では効かないという現象 | アクティブエイジング アンチエイジング

[男性と女性の脳の働きは「分子レベル」で異なる]

(Medエッジ  2015年8月25日)


<「脳内麻薬」に男女差のヒントを見つける>
男性と女性の考えに差があるのは不思議ではない。

今回、新しく報告された研究によると、脳の働きは分子レベルでも決定的に
異なるところがあるようだ。

研究グループは、分子のレベルで詳しく突き止めたのは初めてと説明して
いる。



<脳内麻薬に注目>
米国ノースウエスタン大学の研究グループが神経科学分野の国際誌である
ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス誌に2015年の8月12日に報告した。

研究グループが注目したのは脳内麻薬。
脳内麻薬は、英語で言うとエンドカンナビノイドと呼ばれる。
マリファナのような効果を持つ、体内にもともとあるホルモンの仲間を指して
いる。
エンドルフィンやドーパミンなどが含まれている。
記憶、やる気、食欲や痛みといった脳の働きと関係する。

例えば、脳内麻薬の中でもドーパミンと呼ばれるホルモンは、快感につながる
一方で、足りないと、パーキンソン病といった病気にもつながってくる。


研究グループは脳内麻薬に関係してこれまで研究に取り組んでいた。
2012年、メスのネズミの脳では女性ホルモンであるエストロゲンが脳の
働きに影響を及ぼすと発見している。

そこから性差の問題に行き着いた。



<ある薬が男性で効果なし>
研究グループが今回発見したのは、ある薬が女性では効くのに、男性では
効かないという現象。

動物実験の段階ではあるものの、脳内麻薬の効果があると見られている
「URB-597」と呼ぶ薬の効果に男女差があった。
メスの脳では脳内麻薬の一種である「アナンダマイド」を邪魔する効果を
示した一方で、男性の脳では効果を示さなかった。

研究グループは、さらにこの男女差の背景を調べている。


研究グループによると、現在85%の神経系の研究がオスの動物で行われて
いると指摘。
薬に性別の差がある場合は、両方の性で調べないといけないと説明している。



男女で薬を飲み分けるような時代が来ても不思議はないのだろう。




https://www.mededge.jp/b/heal/18094