[おなじみの消毒剤が生殖能力を落とす?
マウスの実験で子どもが減少、妊娠しづらく]
(Medエッジ 2014年9月11日)
「第4級アンモニウム」と言ってもあまり耳慣れないかもしれないが、害の
少ない消毒剤として知られており国内でも幅広く使われている。
おなじみの消毒剤だ。
手洗いに置かれた消毒剤にも当たり前のように入っていたり、洗剤類、
シャンプーなどにも入っている。
害が少ないと考えられているこの消毒剤が生殖能力を下げているかもしれない
という結果が出ている。
米国の生物医学および病理学の分野の研究者グループが、この8月、生殖に
関わる有毒性をカバーした専門誌であるリプロダクティブ・トキシコロジー
誌で報告している。
<主要成分を少量えさに入れて検証>
例えば、塩化ベンザルコニウムとは、第4級アンモニウムの混ざった消毒剤
で、手指の消毒から、家庭用品や床の消毒など広く用いられている。
研究グループは、主要な成分である、「ADBAC」と「DDAC」という物質に
注目。
マウスの実験として、ADBACとDDACを含んだ消毒剤を使って消毒をして
いると、生殖の能力が落ちてしまうと見いだした。
一度消毒をすると、アンモニウムの化合物が数カ月にわたって飼育かごから
検出されていた。
さらに、研究グループは、実際に少量をマウスのえさに混ぜて実験を実施。
妊娠と妊娠の間の期間が長くなり、子供の数が減るといった影響が出てくると
分かった。
さらに出産間近のマウスについては病気になりやすくなり、投与量を増やすと
母マウスの死亡につながることも確認した。
こうした点から、研究グループは、第4級アンモニウムを混合した消毒剤が
マウスの生殖の能力を損なう可能性を指摘している。
マウスの実験のように口にすることはない物質であるが、マウスの飼育かごの
消毒に使うと生殖能力が落ちてしまったと見られている。
そうした点は看過することはできない。
一般に無害とされているモノではあるが、使いすぎには注意した方がいいの
かもしれない。
http://www.mededge.jp/a/xyst/2351