[電子たばこは普通のたばこより発がん性高い、
ホルムアルデヒド悪影響、有力医学誌で警告]
(Medエッジ 2015年1月31日)
<エアロゾルに含まれるホルムアルデヒドが悪影響、日本で同様な分析も>
電子たばこの発がんリスクは、長期に喫煙していた場合、普通のたばこの
5倍から15倍であるという推定が出てきた。
ポートランド州立大学の研究グループが、国際的医学誌ニュー・イングランド
・ジャーナル・オブ・メディシンで2015年1月22日に警告を発している。
<電子たばこの蒸気を作るプロセスに問題がある>
電子たばこを吸う人は、1日3mLの補充用のリキッドを使った場合に、
ホルムアルデヒドを1日に約15mg吸い込む計算になるようだ。
ホルムアルデヒドは、世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)
発がん性リスクでグループ1に指定されている発がん性のある化学物質。
電子たばこに用いられている補充用リキッドには、プロピレングリコール、
グリセリンのいずれか、またはその両方に、ニコチンと芳香剤を加えたもので
ある。
電子たばこの蒸気を作り出す過程で、ホルムアルデヒドを含むヘミアセタール
が形成される。
電子たばこのリキッドを蒸気に変えるために電圧をかけることで発熱し、
プロピレングリコールとグリセリンが酸素のあるところで熱せられる時に
起きる。
電圧が低い場合(3.3V)にはホルムアルデヒドを放出する物質は形成され
なかったが、電圧が高い(5V)とホルムアルデヒド放出物質が検出された。
<気体のホルムアルデヒドはカウントせず>
今回の研究では、電子たばこのエアロゾル化した粒子だけを集めて測定して
いる。
細かい液体の粒子を考えている。
一方で、エアロゾルをすべて集められたわけではなく、完全に気体になった
ホルムアルデヒドはカウントしていない。
「推定値は控えめな数字が出ている可能性がある」と研究グループは言う。
なお、エアロゾル上のホルムアルデヒドを作り出すリキッドは、ガス状の
ホルムアルデヒドよりも気道に沈着する率は高い可能性があるという。
それぞれの条件を踏まえると、発がん性のリスクはさらに高いものになる
可能性がある。
日本でも厚生労働省の研究班が同様な結果を報告している。
今後、電子たばこの規制が強化される可能性はありそうだ。
http://www.mededge.jp/a/resp/7742