突発性難聴には「インターロイキン6」の多型が多い | アクティブエイジング アンチエイジング

[「突然片方の耳が聞こえにくくなった!」、遺伝子変異が関与か]

(Medエッジ  2014年12月5日)


<突発性難聴には「インターロイキン6」の多型が多い>
「突然片方の耳が聞こえにくくなった!」
そうした症状を話す人は少なくない。

原因不明の突発性難聴には、遺伝子変異が関係している可能性があるようだ。



<調べた3種類のうち1種類が関係>
イタリアのサクロ・クオーレ・カトリック大学ローマ校の研究グループが、
国際的な耳鼻咽喉科専門誌ラリンゴスコープのオンライン版で2014年4月3
0日に報告したものだ。

関係しているのは、細胞が分泌する微量タンパク質の一種に関わる遺伝子
変異だ。

研究グループは、突発性難聴の87人と突発性難聴のない107人を対象として、
遺伝子変異との関係を調べた。
調べたのは、3種類のタンパク質に関係する遺伝子。
タンパク質とは、
 「MCP-1(CCL2とも言い、血管内の白血球を増やす機能を担っている)」
 「Eセレクチン(血管の内壁に白血球をつなぎとめる)」
 「インターロイキン6(炎症・免疫疾患の発症に関与する)」
だ。

結果として、MCP-1とEセレクチンでは差がなかったが、インターロイキン6
の遺伝子が関連していた。



<耳の奥の血管に問題が?>
突発性難聴の人では血液中のインターロイキン6の増加が見られると知られて
いる。

突発性難聴では、「内耳」と「聴神経」という耳の奥の場所に障害が出て
くる。

内耳の血管に損傷がある場合もあって、最近では動脈硬化にも関連すると
疑われている。

炎症と関連するインターロイキン6は動脈硬化との関係を反映しているのかも
しれない。

現状では突発性難聴には良い治療が少ないとされるが、何らかの治療の糸口に
なるかもしれない。




http://www.mededge.jp/b/heal/5027