[唾液ムチンが虫歯に有効 ミュータンス菌から歯を保護]
(Medエッジ 2014年11月21日)
口の健康にとって「唾液ムチン」が重要であることが分かった。
米国ハーバード大学のエフゲニー・フレンケル氏らの研究グループが、
微生物分野の国際誌であるアプライド・アンド・エンバイラメンタル・
ミクロバイオロジー誌で2014年10月24日に報告している。
<口の粘液の主成分「ムチン」>
研究グループは、虫歯から歯を守る仕組みについて検討、唾液の粘液に着目
した。
口、消化管、肺において、定着する細菌からの防御機能を持つと見られる
からだ。
研究グループは、虫歯と粘液の主要なゲル形成成分であるムチンの中の成分
「MUC5B」の関係を解析した。
研究グループが蛍光顕微鏡を使って調べた結果、糖がある場合、虫歯の原因と
なるミュータンス連鎖球菌の付着とバイオフィル形成が最も活発であると
確認できた。
ミュータンス連鎖球菌が歯に付着すると有機酸が発生する。
歯のエナメル質を溶かして穴をあける元凶である。
それに対して、ムチンの成分MUC5B水溶液を使うと付着防止剤として働き、
歯の表面を守ると分かった。
MUC5Bはミュータンス連鎖球菌を成長させないように機能するほか、歯の
表面への付着とバイオフィルム形成を少なくした。
虫歯予防には唾液の効果が無視できないといえそうだ。
http://www.mededge.jp/a/eeee/4511