[総入れ歯の人は便秘になりやすい? 歯を失うと胃腸障害も]
(Medエッジ 2015年2月5日)
<「過敏性腸症候群」との関連を検証>
歯の数と胃腸障害の関連は、これまでも指摘されてきたが、失った歯の本数と
過敏性腸症候群(IBS)に関連があるようだ。
総入れ歯になると便秘になりやすくなる。
<目に見える病変がないのに腸がおかしい>
イランの研究グループが、歯科領域の専門誌、ジャーナル・オブ・オーラル・
リハビリテーション誌2015年1月27日号オンライン版で報告した。
過敏性腸症候群は、目に見える病変がないにもかかわらず、下痢や便秘が続く
ような腸の病気。
主に大腸の機能に異常が起きて、ストレスも原因になるとされる。
研究グループは4669人のイラン人の成人を対象に、歯の状態について自己
記入方式のアンケートを行った。
対象となった人を
(1)全て正歯の人で義歯がない人
(2)総義歯の人
(3)1~2本歯を失った人
(4)3~5本失った人
(5)片方のあごの半分以上の歯がない人
の5つのグループに分け、過敏性腸症候群との関連を調べた。
<歯が1~5本失うと3割強増える>
その結果、歯のある人と比べ、歯を1~2本失った人は1.35倍、3~5本
失った人は1.33倍、過敏性腸症候群になりやすく、逆に片方のあごの半分
以上の歯を失ってしまうと、過敏性腸症候群との関連は認められなくなった。
過敏性腸症候群になりやすいのは、数本の歯を失った状態の人だった。
過敏性腸症候群には便秘型、下痢型、混合型、分類不能型のサブタイプが
あるが、これらと歯の本数との関連はなかった。
ただし、総入れ歯の人は、歯のある人に比べ、便秘型の過敏性腸症候群に
なりやすいと分かった。
歯と過敏性腸症候群との関連については、さらに研究を進める必要がある
ようだ。
http://www.mededge.jp/a/eeee/8081