風邪や花粉症など、身近な薬がアルツハイマー病を増やす | アクティブエイジング アンチエイジング

[風邪や花粉症など、身近な薬がアルツハイマー病を増やす、
                   飲むほど影響、米国グループ報告]

(Medエッジ 2015年2月7日)


<10年間に飲んだ薬の蓄積次第でリスク高まる>
ごく身近にドラッグストアーで手に取れるような風邪薬や鼻炎や胃腸の薬に、
アルツハイマー病のはじめとした認知症のリスクを高める可能性がある
ようだ。

医療機関でもらう薬も当てはまるものがある。
飲むほどにリスクが高まるというので注意した方が良さそうだ。



<胃腸薬やうつの薬も>
米国シアトルのワシントン大学を中心とする研究グループが、内科分野の
国際誌であるジャマ(JAMA)インターナル・メディシン誌オンライン版で、
2015年1月26日に報告した。


問題になるのは、抗コリン作用を持つ薬だ。

抗コリン作用を持つ薬剤が多く、総合感冒薬や鼻炎薬、胃腸薬、一部の
抗精神病薬、抗うつ薬などが知られている。

神経伝達物質の一種である「アセチルコリン」による神経伝達を抑える効果を
持った薬だ。

これまで抗コリン作用薬を使うと、一時的に記憶力が落ちたり、課題処理
能力が落ちたりする認知障害が生じると知られている。
薬の使用を中止すれば元に戻るものだ。

ただし、ひょっとしたら認知症との関連もあると見る研究も少ないながら存在
していた。


研究グループは、抗コリン作用薬を使った蓄積と認知症リスクの関連を
明らかにする研究をより大規模に行った。

研究開始時に認知症がなかった65歳以上の参加者3434人を対象に、2年ご
とに状況を調査、平均7.3年間の追跡を行った。



<使用を長期間、最小限にする努力が必要>
追跡したところ、参加者のうち2割強が認知症を発症。
認知症の8割はアルツハイマー病だった。

認知症およびアルツハイマー病の発症と、抗コリン作用薬の使用状況の関係を
調べたところ、抗コリン作用薬を長期間にわたって多く使用するほど認知症の
リスクが増していた。

10年間の期間で、標準的な1日の用量を91日分から365日分使っていると
危険度は1.19倍になった。
さらに366日から1095日使った場合1.23倍、1096日を超えると1.54倍と
なっていた。


1年間当たり9日くらい関係した薬を飲むとしたら注意した方がいいだろう。
風邪薬のほか、アレルギーで鼻炎の薬を使ったりすると長期に及ぶこともあり
そうで一般の人でも関係はありそうだ。
胃腸の薬も同様だ。

長期にわたることの多い、精神関係の病気では注意したいところだ。


医療従事者や高齢者はこのリスクを認識しておく必要があるだろう。
また抗コリン作用薬の使用を長期間にわたって最小限にする努力も大切だ。




http://www.mededge.jp/a/drge/8260