[夢をみて身体が動くのは認知症のサイン]
(HealthDay News 2013年3月21日)
睡眠中に夢をみて身体を動かす人はレビー小体型認知症の発症リスクが有意に
高いことが、米メイヨー・クリニック(フロリダ)のMelissa Murray氏らの
研究でわかり、米サンディエゴで開催された米国神経学会(AAN)年次総会で
発表された。
レビー小体型認知症であると診断された患者75人の医療記録を検討した
ところ、幻覚など、現在、診断に使用されているリスク因子を1つ持つ被験者
よりも急速眼球運動(レム)睡眠行動障害の被験者のほうが、この認知症を
発現する可能性が5倍高かった。
通常、人はレム睡眠時には動かないが、レム睡眠行動障害患者は夢につられて
通常の話し声で話したり、身体を動かしたりする。
レム睡眠行動障害とレビー小体型認知症の関係は女性より男性のほうが強く、
男性ではレビー小体型認知症と診断される30年以上前にレム睡眠行動障害が
出現している可能性があるという。
Murray氏は、「レム睡眠行動障害患者が全員、この認知症になるわけでは
ないが、メイヨーのデータベースではレビー小体型認知症を有する男性の
75~80%にこの睡眠障害がみられた。つまり、これは同疾患の非常に強力な
マーカーだ」と述べている。
Murray氏は、この結果はこの種の認知症の診断や治療を改善する可能性が
あるという。
今回の研究はレム睡眠行動障害と認知症の関連性を示したが、因果関係は証明
していない。
研究のデータおよび結論はピアレビューを受けて医学誌に掲載されるまでは
予備的なものとみなす必要がある。
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