[舌の先端にしびれるような痛み・・・ストレスで「舌痛症」]
(ZAKZAK 2013年07月31日)(今日のストレス 明日の病気)
舌の先がピリピリ痛む。
「口内炎?」と思って鏡を見ても何もない。
実はこれ、「舌痛症」という症状の可能性がある。
精神的な抑圧のかかった人に出やすいこの症状。
心当たりがある人は歯科か口腔外科へ−。
Hさん(29)は口内炎ができやすいタイプ。
唇の裏などに口内炎ができるたび、奇妙なしゃべり方になる。
それを頻繁に繰り返すので、最近では奇妙なしゃべり方がすっかり板について
きたほどだ。
神経質で小さなことを気にするのでストレスは多い。
繰り返す口内炎もそのせいだろうと、自分で半ばあきらめていた。
そんな彼が異変に気付いたのは2週間前のこと。
舌の先にピリピリっとしびれるような弱い痛みを感じたのだ。
これまで舌にできる口内炎のほとんどが“側面” だった。
「珍しいことがあるもんだ」と、早くも奇妙なしゃべり方モードに移行しつつ
鏡を見ると、異常はない。
翌日も翌々日も、「ピリピリ感」はあるのに、見た目の異常が現れないのだ。
「すわ、舌がん!」
あわてて病院の口腔外科を受診したHさん。
いろいろと検査をしたが、診断は「異常なし」。
一体これは何なのか。
「舌痛症と思われます」と答えるのは、東京医科大学口腔外科主任教授の近津
大地医師。
続けてこう解説する。
「名前の通り、舌に痛みが出る疾患。多くは検査をしても異常は認められ
ません。亜鉛不足や電解質異常が原因の場合もありますが、メンタルの問題が
誘因となって起きることもあります」
口の中は胃や腸と同様、粘膜に覆われている。
ストレスで胃腸が荒れるなら、口の中が荒れても一向におかしくない道理だ。
Hさんのケースも、何らかのストレスが症状を引き起こしていたと考えるのが
妥当だろうと近津医師は推測する。
「多くは医師に『異常なし』と言われると安心して軽快しますが、精神
安定剤を処方することもある。神経質な人ほど症状は消えにくい傾向があり
ます」(近津医師)
トイレの鏡の前で、「これ、舌がんじゃないのかな・・・」と舌を引っ張って
眺めているHさん。
そんな心配してるヒマがあるなら仕事しなさい。
(長田昭二)
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130731/dms1307310724006-n1.htm