胃炎・胃潰瘍の歯科治療 | アクティブエイジング アンチエイジング

[胃炎・胃潰瘍の歯科治療]


急性期には歯科治療は延期する。
緩解期(慢性期)や内科治療後に歯科治療を行う。



<歯科用局所麻酔時の注意点>
シメチジン「タガメット」(ヒスタミンH2受容体拮抗薬)服用患者に、
リドカイン「キシロカイン」注射をするときはその量に注意する。

リドカインは肝血流量依存性代謝薬剤の代表である。
一方、シメチジンは肝血流量を低下させる。
その結果、リドカインの血中濃度が増加する。



<歯科での投薬時の注意点>
NSAIDsは、活動期(急性期)胃潰瘍患者への投与は禁忌。

過去に潰瘍歴のある患者に NSAIDs を投与する時には、プロスタグランジン
製剤「サイトテック」(抗NSAID潰瘍剤)を内科に処方依頼する。



<潰瘍患者に主に投薬される薬と、歯科で使用される薬との相互作用>
エステル型セフェム(トミロン、バナン、メイアクト、フロモックス等)と
H2ブロッカー(タガメット、ザンタック、ガスター等)との併用の場合、
H2ブロッカーによる胃酸の分泌抑制のため胃のpH が上昇し、セフェム系
抗菌薬の吸収が阻害される。

ニューキノロンと消化性潰瘍薬(炭酸水素ナトリウム・酸化マグネシウム・
マーロックスなど)とニューキノロンとの併用の場合、ニューキノロンが、
マグネシウムやアルミニウムのイオンとキレート結合するので、腸管吸収が
低下する。