[睡眠不足1時間で自動車事故リスクは2倍]
(HealthDay News 2016年12月6日)
夜間の睡眠時間が1〜2時間少ないだけで、翌日自動車事故にあう可能性が
ほぼ2倍になるとの研究結果が、AAA交通安全財団のBrian Tefft氏らの研究で
示唆された。
Tefft氏らは同財団のレポートで、2005年7月~2007年12月に警察に報告
された自動車事故4,600件近くのサンプルを対象とした米国運輸省道路交通
安全局(NHTSA)の調査データを検討した。
特別な訓練を受けた調査者が、事故の寄与因子、ドライバーの睡眠習慣、
睡眠スケジュールの変化、事故前24時間の睡眠時間を現場で評価した。
自らのミスにより事故を引き起こしたドライバーと、自分のせいではない
事故に巻き込まれたドライバーを比較した。
その結果、推奨される7時間以上の睡眠をとっていたドライバーに比べて、
睡眠時間が少ないドライバーほど、事故リスクが高くなることが判明した。
事故リスクは4~5時間しか睡眠をとらずに運転すると4倍、睡眠4時間未満
では11.5倍になる。
Tefft氏らは、「この睡眠不足は血中アルコール濃度0.12~0.15で運転する
ことと同じである」としている。
ほとんどの米国の州では、アルコール濃度0.08以上が法的な飲酒状態と
みなされる。
事故原因となったドライバーは、事故前24時間の睡眠時間が通常より少な
かったと報告し、過去7日間で睡眠スケジュールを変えた可能性が高かった。
若齢および高齢のドライバーは、居眠り運転関連の事故で最も過失が大きく、
事故原因でないドライバーはほとんどが中年であった。
Tefft氏は、「睡眠不足と自動車事故に巻き込まれるリスクとの関係を実際に
定量化した研究はこれが初めて」と述べている。
http://healthdayjapan.com/2016/12/15/14487/