[ブロッコリーに自閉症治す成分、ハーバード大学の研究結果]
(Medエッジ 2014年11月4日)
ブロッコリーからの抽出成分が、自閉症スペクトラム障害(ASD、以下、
自閉症)に有効であると分かった。
米国ハーバード大学医学部マサチューセッツ小児総合病院のカンワリジット・
シン氏らの研究グループが、米国科学アカデミー紀要で2014年10月13日に
報告している。
<自閉症の行動改善>
自閉症はコミュニケーション障害と何度も同じような行動をする常同行動が
特徴。
研究グループによると、米国ではおよそ68人に1人の割合で発症し、男性に
多い。
自閉症の薬の経済的負担は大きく、かといって自閉症だけに効く特別の薬は
存在していない。
研究グループは、中等度から重度の自閉症と診断された13歳~27歳の若い
男性を対象に、ブロッコリーからの抽出物の効果を検証した。
29人にブロッコリーの芽から抽出したスルフォラファンを、15人にニセ薬を
投与。
スルフォラファンまたはニセ薬を18週間毎日飲む。
その後無治療で4週間後に評価を行った。
<評価を行ったのは自閉症の男性の家族と医師>
18週間後、ニセ薬を使っていたグループは効果が見られなかったが、
スルフォラファンを服用していたグループでは社会交流、異常行動、言語
コミュニケーションに改善が見られた。
スルフォラファンの服用を中止すると、すべてのスコアが治療前のレベルに
戻った。
スルフォラファンは毒性が低く、酸化ストレス、抗酸化能の低下など有効性が
ある。
さらに複雑な効果を持っており、自閉症の異常を回復するために有望かも
しれない。
研究が発展すると、意味ある治療につながる可能性もありそうだ。
http://www.mededge.jp/a/psyc/3931