[てんかんと自閉症スペクトラム障害は併発しやすい]
(MEDLEY 2016年2月8日)
<台湾のデータから>
てんかんは脳の一部が異常な活動を起こしている状態です。
ほかの脳の病気が原因となっててんかんを起こす場合も知られています。
18歳未満の自閉症スペクトラム障害との関係が検討されました。
<てんかん、自閉症スペクトラム障害の発生頻度を解析>
研究班は、台湾の1997年から2008年の健康保険データベースをもとに、
18歳未満の子どもの経過について統計解析を行いました。
調査開始時に自閉症スペクトラム障害があり、それまでにてんかんと診断
されたことのない子どものデータを、自閉症スペクトラム障害がない子どもと
比較して、てんかんが新たに発生する頻度に違いがあるかが検討されました。
同様に、新たにてんかんと診断され、その前には自閉症スペクトラム障害と
診断されたことのない子どものデータが、てんかんのない子どもと比較
されました。
<一方があると他方の発生が多い>
次の結果が得られました。
自閉症スペクトラム障害グループの中で、非障害グループと比べててんかんの
調整ハザード比は8.4(95%信頼区間5.5-12.7)だった。
てんかんグループの中で、てんかんのないグループと比べて自閉症
スペクトラム障害の調整ハザード比は8.4(95%信頼区間6.2-11.4)だった。
自閉症スペクトラム障害かてんかんのどちらか一方があると、その後にもう
一方が発生する頻度が8倍程度に多くなっていました。
研究班は「これらの結果は、自閉症スペクトラム障害とてんかんにおそら
く共通のリスク因子があることを暗示する」と述べています。
こうしたデータは、てんかんや自閉症スペクトラム障害の治療中に注意する
ことや、これらの病気の新しい治療法についてヒントになるかもしれません。
https://medley.life/news/item/56b19ffafc6e3813008b467a