歯がぐらつく男性は糖尿病に注意! 5年以内の発症率上昇 | アクティブエイジング アンチエイジング
[歯がぐらつく男性は糖尿病に注意! 5年以内の発症率上昇 東大研究]

(あなたの健康百科  2015年11月24)


糖尿病と歯周病は関係が深いとされているが、歯のぐらつきがある人は
より注意した方がよいようだ。

東京大学大学院医学系研究科の宮脇敦士氏(公衆衛生学)らは、男性会社員を
調査した結果、歯周病の度合いが高い人は5年以内に糖尿病になる可能性が
高かったと、11月4~6日に長崎市で開かれた日本公衆衛生学会の会合で
発表した。

歯周病の中でも、歯のぐらつきがある人で特にリスクが高かったという。



<歯の喪失、歯周炎指摘とは関連せず>
歯周病は糖尿病と同じ生活習慣病の1つで、歯垢(しこう)などが原因で
起きる歯肉炎と、それが進行した歯周炎がある。

厚生労働省が2011年に行った調査では、55~84歳の約半数が歯周病に
かかっている(4ミリ以上の歯周ポケットあり)ことが分かっている。


宮脇氏らは、金融・保険系の企業に勤める26~55歳の男性2,507人を対象に、
2004年から5年間、歯周病と糖尿病の関連を追跡調査した。
なお、調査の開始時に糖尿病にかかっている人はゼロで、歯周病は
  (1)歯を5本以上失った
  (2)歯周炎と指摘された
  (3)歯周病の度合い(口臭、歯のぐらつき、歯茎から出血
                        ―に当てはまる項目数)
で評価した。

5年間で134人が糖尿病を発症。
年齢やBMI(肥満指数)、喫煙、飲酒、高血圧などの影響を取り除いて調べた
結果、歯周病の度合いが高い人は、5年以内に糖尿病を発症する可能性が
1.28倍に高まっていた。
一方、歯を5本以上失ったこと、歯周炎と指摘されたことは、糖尿病発症との
関連が認められなかったという。

なお年齢層で分けると、26~40歳では関連が認められなかったが、41~55歳
では1.38倍。
特に壮年層で注意した方がよいことが示された。



<歯のぐらつきはリスク1.89倍>
さらに、重い歯周炎で見られる歯のぐらつきだけで調べた結果、糖尿病
リスクが1.89倍に上昇。
中程度以上の歯周炎は糖尿病になりやすい可能性が示された。


これらの結果から、宮脇氏は「男性、特に壮年層では歯周病の度合いが高い
ほど、その後の糖尿病になる可能性が高まることが示された。一方、歯を失う
ことは歯周炎以外の原因でも起こり、歯周炎と指摘されたことはその時点での
歯周炎の有無を反映していないため、関連が見られなかった可能性が考え
られる」と考察している。






http://kenko100.jp/articles/151124003688/#gsc.tab=0