[英リーグのサッカー選手、40%が虫歯 プレーに影響も]
(AFP=時事 2015年11月4日)
【AFP=時事】
英国でプレーするプロサッカー選手の40%近くが虫歯を持っており、
場合によってはピッチ上でのパフォーマンスに影響が出るほど深刻なことが
最新の研究で明らかになった。
サッカー選手たちは大金を稼ぐかもしれないが、歯の治療にはほとんど
費やさないようだ。
研究によると、サッカー選手たちの歯と歯ぐきの平均的な状態は、同世代の
英国人よりも悪いという。
ロンドン大学イーストマン歯科研究所のイアン・ニードルマン氏はAFPの
取材に対し「虫歯が深く進行して神経にまで達し、顎で感染を引き起こして
いる選手が数人見つかったほどだ」と述べた。
同氏が筆頭著者となり、英スポーツ医学誌「ブリティッシュ・ジャーナル・
オブ・スポーツ・メディシン(BJM)」に掲載された研究論文は、英国の
プロサッカー選手の間に歯科疾患がどれほど蔓延し、またそれが選手の
運動能力にどの程度影響しているかについて、論文として初めて扱った
ものだ。
ニードルマン氏ら医師と歯科医師によるチームは、イングランドと
ウェールズの8つのチームの選手187人を対象に調査を行った。
うち、5チームはイングランド・プレミアリーグのハル・シティ、
マンチェスター・ユナイテッド、サザンプトン、スウォンジー・シティ、
ウェストハム。
残る3チームは、2部にあたるチャンピオンシップの2チームと、3部に
あたるリーグ1の1チーム。
選手の年齢層は18~39歳で、平均24歳だった。
各チームとも少なくとも9割の選手が検査を受け、問診に答えた。
その結果、全体の37%の選手に進行中の虫歯が見つかり、半数以上の選手に
酸による歯の侵食がみられた。
また10人中8人の選手に歯周病があり、4人中3人の選手は口内の半分が
冒されていた。
20人に1人の割合で、歯茎のダメージが元に戻せない状態だった。
4分の3近い選手が、調査の前年に歯医者にかかったと述べたが、実際に
診察してみると、多くの選手がそれほど歯の健康を意識していないことが
示された。
6人におよそ1人が、問診時に口内または歯の痛みを感じており、
4人に1人が熱い飲み物や冷たい飲み物がしみると回答した。
また選手の半分近くが、虫歯や歯周病が気になっていると答え、5人に1人が
生活に支障が出ていると述べた。
さらに7%の選手が、歯の状態が悪いせいで、試合やトレーニングに悪影響が
出ていると回答した。
ニードルマン氏によれば「極めて激しい衰弱と痛みを起こす可能性がある
親知らずの感染にかかっている選手」も見つかった。
放置すれば最悪の場合、試合はおろかトレーニングもまったくできなくなると
いう。
ストライカーのロビン・ファン・ペルシーとミッドフィルダーのフローラン・
マルーダは、それぞれ数年前、アーセナルとチェルシーに在籍していた時期に
親知らずを抜歯してから、健康状態もプレー感覚も向上したと述べている
ことが報じられている。
一方、驚くことに選手獲得には巨額を投じるのに対し、歯科医師をチームス
タッフとして抱えているクラブはほとんどなかった。
ニードルマン氏は「プロサッカー選手の口腔衛生を向上させる有効な戦略が、
早急に求められている」と語った。
論文はまた調査対象となった選手たちの3分の2近くが、週に3回以上、
甘いスポーツドリンクを摂取していた点に触れているが、虫歯との関連は
証明されていない。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151104-00000026-jij_afp-int