[<食の泉>(69)鼻づまりと味覚/味と匂い 感じ方に影響]
(河北新報 2015年07月23日)
風邪を引いているとき、食事がおいしくないと感じること、ありますよね。
この原因の一つは、鼻づまりです。
実は、味のセンサーも匂いのセンサーもどちらも化学物質を変換するシステム
です。
味覚は液体中の化学物質を、嗅覚は空気中に含まれる化学物質を担当して
います。
どちらも化学物質に反応するという同じ特徴をもっているので、味覚と嗅覚は
互いに補い合って働いているのです。
ですから、風邪を引いたりして、どちらか一方がうまく機能しないと、仮に
もう一方が正常でも、味や匂いの感じ方が大きく変わってしまうのですね。
テレビのバラエティー番組で、鼻をつまんだ人たちが口に含んだ食べ物を
当てるゲームをやっていますが、まさにこの仕組みを利用したものと言えるで
しょう。
心理学の立場から言えば、当てる方が難しい。
あのゲームで氷水に落ちるのは必然なのです。
(宮城学院女子大教授 大橋智樹)
http://www.kahoku.co.jp/special/spe1158/20150724_02.html