<食の泉>(71)赤ちゃんの味覚/スープのうま味に反応 | アクティブエイジング アンチエイジング
[<食の泉>(71)赤ちゃんの味覚/スープのうま味に反応]

(河北新報  2015年07月25日)


味はいつごろから感じるだろうか。
味覚の発達に関わる心理学の研究ではこんなテーマも扱います。

幾つかの研究から分かったことは、生まれたての赤ちゃんも味を区別できる
らしいということです。
たとえば、ただの水よりも糖分を加えた水を好んで飲むとか、苦みには不快の
反応をしたり、酸味には明らかに酸っぱい顔をしたりするように、です。

また、日本人になじみの深い、うま味成分を加えたスープを、無添加のスープ
よりも好むなども報告され、赤ちゃんは結構、グルメのようです。

一方で、生まれつき特定の味を感じない人もいます。
「フェニルチオ尿素」という普通の人にとっては非常に苦い物質に、まったく
苦みを感じない人です。
日本人では10人に1人くらいいるそうですが、実は私もその1人です。
学生時代、指導教授にこれをなめさせられて、なぜか苦いフリをしたことを
思い出します。
青春時代のほろ苦い思い出です。



(宮城学院女子大教授 大橋智樹)





http://www.kahoku.co.jp/special/spe1158/20150725_01.html