[名古屋で発見、りんご病の大人に現れた意外な症状]
(MEDLEY 2016年2月1日)
<3人の経過から>
伝染性紅斑(りんご病)は、6歳から12歳の子どもに多く起こりますが、
大人にもあり、妊娠中には流産の原因にもなります。
特徴的な顔の赤い発疹が有名ですが、ほかにも多様な症状があります。
血液の異常が現れた3人の例が報告されました。
<りんご病の原因は?>
伝染性紅斑の原因はパルボウイルスB19というウイルスです。
症状は発熱、関節痛、筋肉痛、疲労感、むくみなどがあります。
特徴的な赤い発疹は、顔にもできますが、手足にできて顔には現れない
場合や、発疹がない場合もあります。
またパルボウイルスB19は、伝染性紅斑のほか、妊娠中に感染すると流産や
胎児水腫を起こすことでも知られています。
ほかの病気による貧血が同時にある場合、赤血球を作る働きが弱くなって
貧血が急激に悪化することもあります。
この研究では、パルボウイルスB19の感染が原因と思われる、白血球と
血小板が少なくなるという典型的でない症状があった3人の患者が報告されて
います。
<白血球が少なくなっていた3人の報告>
患者Aは、40歳の女性で、39℃の発熱、全身の痛み、疲労、食欲低下があり
救急治療を受けました。
一度はインフルエンザの診断で帰宅しましたが、症状は軽くならず、再び入院
して検査を受けました。
赤い発疹はありませんでした。
白血球は1,000個/μl(正常では4,000個/μl以上)に減っていました。
抗体検査などの結果、パルボウイルスB19の感染と診断されました。
患者Bは、36歳の女性で、39℃の発熱、疲労、手足と胴体の赤い発疹があり
ました。
白血球は2,000個/μl、血小板は89,000個/μl(正常は140,000個/μl以上)に
減っていました。
患者Cは、31歳の女性で、のどの痛み、疲労感、手足と胴体の赤い発疹があり
ました。
白血球は1,400個μl、血小板は106,000個/μlに減っていました。
3人とも通常の治療で回復しました。
研究班は、こうした例があることから、「したがって、伝染性紅斑の流行中に
白血球減少が見られた成人患者では、たとえ皮膚の紅斑という特徴的な臨床
所見がなかったとしても、白血球減少をともなうパルボウイルスB19の感染を
考慮するべきである」と結論しています。
発疹がなくても、発熱と関節痛などの症状があれば、注意が必要な病気かも
しれません。
特に身近な人が妊娠しているときは、早めに病院に行って診断を受けるのが
いいでしょう。
https://medley.life/news/item/56ab120fa2812ee4008b45b2