妊娠中のてんかん薬で子どもに自閉症リスク | アクティブエイジング アンチエイジング
[妊娠中のてんかん薬で子どもに自閉症リスク、
             オタマジャクシで「バルプロ酸」の影響を再現]

(Medエッジ  2015年3月2日)


<薬剤による神経障害、片頭痛にも使う薬>
「バルプロ酸(VPA)」というてんかん薬を妊娠中に服用した母親から
生まれた赤ちゃんは、自閉症発症リスクが高まるとの研究報告がある。

このたびオタマジャクシで問題を再現する研究報告があった。



<シナプス連結に異常>
米国ブラウン大学を含む研究グループが、神経科学分野の国際誌ニューロ
サイエンス誌2015年2月号で報告した。

化学薬品や薬には神経障害を引き起こすリスクがあると考えられる。

研究グループは、バルプロ酸が神経障害を引き起こすメカニズムについて、
オタマジャクシを使って検証した。



<ハイパーコネクティビティ>
実験の結果、バルプロ酸を与えたオタマジャクシでは、脳の中心に近い部分に
ある中脳に異常が生じると分かった。
視覚情報を処理している「視蓋」という場所の神経回路が変化していた。
興奮、抑制に関わる神経の活性度がいずれも増していた。


人の脳では通常、神経細胞が「間引き」されて一定の数に抑えられる。
自閉症では、神経細胞のつながりが異常に増えると分かっている。
この現象は「ハイパーコネクティビティ」と呼ばれ、オタマジャクシの変化と
一致していた。



<自閉症のような行動の変化>
さらに、オタマジャクシの行動にも異常が見られている。
正常な場合には群れを作ったり、衝突を避けたり、大きな音に耐えたりする
行動はなくなり、捕獲される割合が高まった。

自閉症で見られる行動パターンと似ていた。



バルプロ酸はもともと妊娠の可能性があるときの使用に注意は促されている。

片頭痛にも使われている一般的な薬。使うときには気をつけたい。





http://www.mededge.jp/a/psyc/9587