[あの覆面バンドも? 歯科医“卵”遺体検視に「涙止まらない」]
(イザ! 2011年4月11日)
東日本大震災では、身元特定のための歯型を記録する歯科医が足りないため、
歯科医師免許を持つ大学院生らが現地入りし、検視業務に協力している。
約70体の検視を行ったのは、東北大学大学院歯学研究科の新谷聡さん(35)
だ。
「自分が記録することで、1人でもご家族の元に帰れればいい。今やらなくて
いつやるんだと思った」
研修だけで実際の検視経験はなかったが、大学が呼び掛けた募集に応じ、
院生や教員ら約70人が派遣された。
宮城県南三陸町を訪れたのは地震4日後の先月15日。
初めて約10人の検視を行った。
遺体の脇に四つんばいになり、器具で口を開け、小型の鏡を使って歯並びや
治療痕などをデンタルチャートと呼ばれる用紙に記録していく。
終わった時には5時間が経過していた。
「とにかく必死で、何も考える余裕はなかった」という。
同県利府町では、1日で約60体を検視した。
津波で流されたため損傷の激しい遺体が多く、乳児を抱いたままの女性も
いた。
「小さな子供の遺体が並んでいるのを目にした途端、涙が止まらなくなった。
津波に人がのまれる夢をよく見るようになった」とうつむいた。
19歳の時、阪神大震災で神戸市内の母親の実家が被災。
浪人生で何もできない自分に無力さを感じた。
「やっと苦しんでいる人の役に立てると思った」
今後も避難者の往診や介護に携わりたいと考えているという。
全員が現役歯科医師という4人組覆面ボーカルグループ、GReeeeNの
リーダーで福島県郡山市在住のHIDE(31)も検視に携わると報じられて
いるが、依然、家族の安否が不明な被災者にとっては、今後、身元を特定する
ためにも貴重な情報となる。
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20110411/dms1104111550012-n1.htm