[生活習慣病の薬 初の市販薬に]
(NHK NEWS 2012年12月19日)
血液中の中性脂肪などが高い「脂質異常症」の治療薬が、生活習慣病の
医薬品としては初めて、薬局などで購入できる市販薬として承認されることに
なりました。
市販薬として承認されるのは、東京の製薬会社が製造している脂質異常症の
治療薬で、中性脂肪の値を下げる効果があるとされる「エパデール」です。
19日開かれた厚生労働省の審議会で報告されました。
この薬は、現在、医師の処方箋が必要な医療用医薬品ですが、厚生労働省は、
薬の主な原料はイワシの油で、副作用のリスクは比較的低いなどとして、
市販薬として承認することになりました。
生活習慣病の治療薬が市販薬となるのは初めてです。
厚生労働省は、症状が進む前に薬局で薬を購入し、自分で中性脂肪を管理
できれば、動脈硬化や心筋梗塞などを減らし、医療費の削減にもつながると
しています。
厚生労働省は年内にも承認の手続きを行い、早ければ来年度中にも薬局などで
販売が始まる見通しです。
生活習慣病の治療薬を市販薬として販売することを巡っては、日本医師会が、
患者が病院を訪れず、病気の悪化を見過ごし、生活習慣の改善を怠ったりする
おそれがあるとして、反対しており、厚生労働省は今後、新たに検討の場を
作って議論することになりました。
<販売店と医師会の反応は>
日本チェーンドラッグストア協会の宗像守事務総長は、「薬局で販売
されれば、病気の予備軍の人が手軽に自己管理ができるようになり、非常に
よいことだと思う。初期の段階では市販薬を飲んで改善を図り、進行したら
医療機関を受診するという仕組みを作りたい」と話していました。
一方、厚生労働省の審議会の委員で、日本医師会の中川俊男副会長は、
「生活習慣病の医薬品を市販薬とすると、最初から医師にかからず、薬で
済ましてしまい、重症化するおそれもあり、反対だ。生活習慣病の薬を市
販薬として認める際の手続きの在り方について、厚生労働省と議論して
いきたい」と話しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121219/t10014301841000.html