[<脊髄再生>乳歯幹細胞使い成功 世界初、名大研究チーム]
(毎日新聞 2011年12月2日)
ヒトの乳歯の歯髄幹細胞を、脊髄を切断したラットに移植すると、中枢神経が
再生して後ろ脚の機能が回復するとの研究結果を名古屋大の上田実教授
(顎顔面外科)のチームがまとめた。
歯の幹細胞で動物の脊髄を再生したのは世界初という。
上田教授は「脊髄を損傷したヒトの治療に応用が期待できる」と話している。
米医学誌「ザ・ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション」
電子版に1日発表した。
実験ではラット50匹の脊髄を切断して下半身不随の状態にし、そのまま飼育
するグループと、歯の幹細胞を移植したグループに分けて観察。
移植したラットは3週間後に後ろ脚の機能が回復した。
歯の幹細胞には脊髄細胞の死滅を抑制したり、神経の再生を促す能力がある
ことが分かった。
再生医療の現場では近年、人工多能性幹細胞(iPS細胞)や胚性幹細胞
(ES細胞)などの研究が進められているが、iPS細胞はがん化の恐れが指摘
され、ES細胞はヒトの胚を壊して取り出すなど安全・倫理面の課題がある。
名大のチームは、名大付属病院生命倫理審査委員会の承認を経て患者から
提供を受けた乳歯や親知らずから幹細胞を採取しており、安全・倫理面の
ハードルは低いとしている。
今後、サルへの移植実験を計画しているという。
【河出伸】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111202-00000010-mai-soci
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