本当は怖い恥ずかしがり屋・・・社会不安障害 | アクティブエイジング アンチエイジング
最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学


テーマ: 「本当は怖い恥ずかしがり屋~怯える瞳~」

M・Tさん(女性)/52歳(発症当時)  専業主婦

マンションの理事会役員が回ってきたため出席したところ、いきなり理事長に
選ばれてしまったM・Tさん。
もともと人前に出るのが苦手な彼女の脳裏には、この時、ある記憶が蘇って
いました。
それは中学時代に作文を朗読した際、周りの視線が気になり異様に緊張して、
しどろもどろになってしまった体験。
以来そういう場面は極力避け、結婚してからも大事なことは全て夫任せという
生活を送ってきたM・Tさん。
1ヵ月後、理事長になった初めての会合で出席者からの視線を痛いほど感じた
上、大量の汗が吹き出し耐えられなくなってしまいます。
それ以来、仮病を使って理事会を休むようになってしまった彼女ですが、
その後もさらなる異変に襲われます。


<症状>
(1)人前で喋るのは嫌い
(2)緊張すると大量の汗
(3)不安な事を避ける
(4)人前で字が書けない
(5)手が大きく震える


<病名>社会不安障害


<なぜ、恥ずかしがり屋から社会不安障害に?>
「社会不安障害」とは、人前に出る緊張感や不安など個人的な悩みが大きく
なることで様々な身体症状が現れ、日常生活に支障をきたす病。
潜在的な患者を含めると、約300万人はいると言われています。

しかし、そのほとんどの人が、自分の性格のせいと思い込み、そのまま放って
おくため、その後「うつ病」「アルコール依存症」「パニック障害」などを
併発するケースが多く、何と患者の7割を超えていると言われます。


それにしても、なぜM・Tさんは社会不安障害になってしまったので
しょうか。
その最大の理由は「人にどう見られているかを気にするタイプ」だという
こと。
明るく積極的な人も、内気で人見知りな人も、性格に関わらず「人の視線を
強く意識するタイプ」が、この病にかかりやすい
のです。


ではM・Tさんは、いつ発症したのでしょうか。
それは中学生の時、異様に緊張したあの瞬間でした。

患者さんの多くは、10代の多感な時期に経験した「極度の緊張」をきっかけに
発症します。
脳の扁桃体という部分を過敏にするようになり、強い緊張を感じやすくなって
しまうのです。


しかし、M・Tさんの場合、その後、緊張するような場面を避けることで、
病が表面化することはありませんでした。

再発のきっかけは理事長への就任でした。

「社会不安障害」は、避けられない社会的場面、例えば就職や昇進、PTAへの
参加などに直面することで、症状が強く出始める事が多いとされています。

M・Tさんも理事長になってから異様な緊張を覚え、身体症状なども強く出る
ようになってしまいました。


しかし、この早期発見の段階で治療を始めたことで今では見違えるように
積極的に生活できるようになったのです。


「社会不安障害」は、その多くが自分で内気、あがり症と思い込んでいる人に
潜む病。
緊張する場面を避けるなど、社会生活に支障のある方は、我慢することなく、
一度、心療内科で相談されてみてはいかがでしょうか?


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