先週、越谷市役所で、浅井明氏(埼玉県会議員)と、偶然、会った。

 

自民党の彼とは、彼が市会議員だった時、トーナメント方式の熟議選挙(Deliberative Tournament Election:DTE)の効用について、3時間ほど、意見交換させてもらったことがある。

 

DTEは、世界平和、テロ関連の事件や原発事故などの再発を防止するために、私のコンサルティング経験を踏まえ、発案したものであるが、

 

彼の感想は、「間接選挙の一種ですね。」というものだけであった。

 

彼自身、海外で毎月繰り返されるテロ爆発を見たり、日本の政府職員の技術経営面での問題意識がないため、当然の反応であった。

 

日本の外交政策については、自民党そのものの見解で、彼自身、直接の経験はないにしても、実によく勉強している。

 

ともにいたのは、

市の生涯教育関連の運営委員会の女性委員2~3名であったが、

消費税10%への増税については、

 

「さっさと政府の借金は、返済しないと!」という感想で、消費増税に大賛成なのであった。

 

その後、彼らには、いろいろと考え方を指摘したのだが、

まだまだ、日本でも、財政赤字を悪とする考え方が、一般的である。

 

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以下は、

私が、自分の考えの間違いに確信を持った記念すべき記事である。

 

Modern Monetary Theory (MMT) を参考とし、

 

オーストラリア政府の財政政策について、

豪首相 Tony Abbott と財務大臣Joe Hockey による会談である。 

 

(The Conversation is a unique collaboration between academics and journalists that in a decade has become the world’s leading publisher of research-based news and analysis. 

 

The Conversationは;大学研究者/ジャーナリストの協力によるニュースと分析の場)

 

(以下 ⇒ は、私の解説)

 

1) Monetary sovereign governments face no purely financial budget constraints.

「独立した通貨を持つ政府は、純粋に予算上の制限は、あり得ない」(EU諸国は、共通の通貨ユーロを使うので非独立政府)

 

税金は、インフレを抑制するために使われる。

 

⇒各予算決めの際にインフレ率に注意しておれば、問題ない。通貨は、雨水以上のもの。地球上の雨水は、有限だが、通貨量は、人が決めるべき。通貨とは、経済活動の潤滑油と考えるべし。

 

実際には、日本のような「上場経済(供給/物流に大きな余裕があり、国民にこれ以上、切実に欲しいものがない)」では、通貨を過剰に発行しても、インフレは、起こらない。(過剰の通貨は、預金されるだけ。百歩譲ってインフレが起こるとするなら、そのセクターへの通貨供給を抑えれば良い。

 

「上場経済」の意味:上場企業は、株式発行で資金調達:可能。政府の通貨発行は、この債務のない株式発行と近似している。)

 

2) All economies, and all governments, face real and ecological limits relating to what can be produced and consumed.
「全ての経済、全ての政府は、自ら生産・消費するものに関して、環境面から制約がある」

 

⇒環境意識が高い日本では、この理解は、浸透している。

 

3) The government’s financial deficit is everybody else’s financial surplus.  「政府財政赤字は、他組織の黒字」 

 

⇒ここで言う他組織とは、政府以外の「国民経済全体」であり、政府と中央銀行以外の全金融機関と民間企業、国民が含まれる。

 

⇒問題は、負債(発行組織にとり)=国債=資産(企業・国民) と言う理解がないことであり、国債残高の増加は、通貨の発行の仕組みに理由がある。(歳入以上の予算が、必要な場合、必ず、国債発行しなければならない仕組み。)

 

この問題は政府(財務省)が通貨を発行すれば、解決する。

 

中で面白い言葉は、
Politicians are・・obsessed with something which doesn’t matter (balancing their budget), and are ignoring many things which do matter a great deal for the future of the country. 
「政治家らは、どうでも良いこと(財政規律)に汲々としているが、国家の将来を決める多くの課題に関心が行かない
。」

 

オーストラリアでは、従来からの3大政党は、この考え方に注目していないが、小さな新しい2政党が注目し始めている。

 

The government could and should be using its role as the currency issuer to promote full employment, social inclusion, ecological repair, and healthy private sector balance sheets.


政府が通貨発行機関としての役割を果たせば、完全雇用、環境保全、財務的に健全な民間セクターを支援できるだろう。

 

政府予算に事実上の制限がなくなれば、芸術や研究などの自分の興味ある課題で働く人生を選ぶ人たちにも、給与を支払える経済政策が可能である。

 

ご参照: