『戦略経済研究所』

『戦略経済研究所』

旧ソ連、アジア、アフリカ、日本国内で評価制度などのコンサルティングをしています。国際教育推進機構 / KaizenDo など主催  http://iedi.org/across/ (渡邊穣二)

本ブログ「戦略経済研究所」は、2020年11月より、

https://senryakukeizai.net/ で継続されています。

国、社会、組織の課題にお悩みのある方々は、ご覧いただければ幸いです。 渡邊穰二
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【コンサルティングコンセプト(Consulting Concepts)】
   
・「小さな会議」vs.「大きな会議」 (Small Meeting vs. Big Meeting)

「大きな会議」は、上意下達の機会。
「小さな会議」は、質疑応答・熟議のため。
「小さな会議」は、日本/シンガポールなどの小集団活動(QCC)など数多くの成功例がある。

・トーナメント方式熟議選挙(学校、コミュニティなど)
Deliberative Democratic Tournament Election (DTE)

リーダー(アイデア)の選出法として、会議を重ね、トーナメント(勝抜き)で選ぶ方法。
現代社会のメディアの不健全性(売上・視聴率目的)を排し、理解を深める方法として、
『リーダーに【なりたい人】からでなく【ならせたい人】から人物を推す』方法。

「仕事基準」vs.「人基準」
(Value-based vs. Person-based Management)

人間は、人の属性(性別、年齢、学歴、人種、資格、縁戚・・などの行動や仕事で変えられない要素)を通じて、評価・判断する性質(「人基準」)である。そのため、顧客(市場・外部・他人)にとっての「仕事の価値」をみるべき(「仕事基準」)とする考え方。

「仕事基準」を担保し、組織の健全性を維持するのが、
付加価値報酬制(CVA: Compensation by Value-Added)である。

3P = Person + Position + Performance):3つの「仕事基準」要素をきちんと評価する。
特に大切なものは、Position(責任・役割の幅、深さ、難しさ)の評価である。

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【勝抜き熟議選挙】は、コミュニティ再生、政治経済の健全化のための究極のモデル。
DTE (Deliberative Democratic Tournament Election) 詳細は、
日 http://ameblo.jp/across-iedi/entry-11962108991.html 
英 http://ameblo.jp/across-iedi/entry-12003235345.html

髙橋洋一チャンネル(第91回 国債とインフレと日本銀行 その関係を超簡単解説!) で、高橋洋一氏が、インフレの原因を通貨量とモノの量の関係から、説明しているが、この説明だけでは、問題があると思う。 

 

これは、経済学の基礎でなされる説明方法であるが、 実は、この説明が、日本政府の財政政策を間違えさせてきた遠因となっている可能性がある。

 

一般の人は、この考え方で、不十分な財政政策と政府の説明を容認してきた。 

 

例えば、最近、コロナ禍対策で世界中の政府が、これまで追加財政支援(計1450兆円)を実施したとのニュースがあった。 

 

これは、全世界GDP9000兆円ほどであるから、それなりに大規模の財政出動であるが、日本を含め、たいていどの国も、インフレどころか、デフレである。 

 

お金を追加供給していても、デフレなのだ。 

 

つまり、市場でのモノの価格の上下には、人々の消費行動が重要であって、それを実需(需要)と呼ぶなら、モノと通貨の量に加えて、需要(欲望)が要素として入ってくる。 

 

簡単な例をあげると、 健康に留意しながら、毎日、必要十分に食べている高齢者の収入(例えば、年金)を2倍にしても、高齢者は、毎日、5回~6回と食事回数(食事量)を増加しない。

 

だから、ここで食品の価格にインフレは、起きない。 

 

全国10万人以上の会員を擁する年金組合は、継続して、年金増額を求めていて、不十分な年金に憲法違反だと裁判まで起こしている。

 

しかし、その年金増額予算を、企業の法人税率を上げることで、17兆円を・・と訴えているが、これでは、どの政権にとっても、なかなか合意が難しいだろう。 

 

企業は、政権与党の支持(選挙資金援助など)をしており、彼らから「ない袖は振れない。」と云われれば、政権は、動かないからである。

 

 そして、年金を上げないのは、インフレ抑制のためもあると云われると、年金組合は、反論できないだろう。 

 

やはり、年金増額要求で裁判に勝ち、要求を通すにも、通貨と経済への理解からの正しい論理が、欠かせないと思われる。 

 

下は、私が作った「通貨、モノ、欲望の3要素」で、市場におけるインフレへの影響を示す図である。 

 

 

マクロ経済から財政政策を考える、皆さまの思考の助けになればと思う。 

 

通貨があるとは、経済力があるとのこと。簡単に言えば、需要が供給を超えていて、かつ、通貨量が供給より多い時だけにインフレが来る。通貨量がなければ、買いたくても買えないからだ。

 

つまり、戦後の「モノ欲しい欲しい経済下」、通貨量を増加すると、とたんにインフレになる。

 

しかし、今は、違う形の経済であるからこそ、政府は、格差で苦しむ人々を支援できるのである。 

 

髙橋洋一チャンネル 

 

 

Basic Income(ベーシック・インカム)を実施するとすれば、

 

財源は、政府の債務とならない政府通貨(資本通貨)を発行すれば良いだろう。(これは、政府の「打ち出の小槌」である。)

 

松田政策研究所が、「デジタル政府通貨構想」を発表しているが、基本は、私と同じ考えだ。

 

これが、可能なのは、日本は、先進国で全体としては、皆、欲しいものはもっているため、インフレ懸念なく、通貨の発行で需要をつくり経済の活性ができるからだ。

 

一人当たり、ベーシックインカムの金額は、

 

現在の物価なら40歳までは、ゼロ。

ただし、働けば、5万円/月

 

40歳代で、8万円/月

50歳代で、12万円/月

60歳代で、16万円/月

70歳代以降、終身20万円/月

 

を提案する。

 

このスキームでは、若い人には、仕事を学ぶこと、頑張ること、働くことの楽しさ、尊さを学ぶ機会を与える。

 

そのため、基本的には、働く者、教育訓練を受けている者だけに、支給される。

 

70歳代以降は、従来の年金がなくなり、Basic Incomeだけになる。

 

年金については、若い世代から、高齢世代へという流れをやめて、従来、年金基金に蓄積していた資金は、全部、各個人に返済する。(もちろん、毎月返済してもらっても良い。)

 

70歳以上の高齢者には、年金がなくなり、Basic Incomeだけとなる。

 

年金を自分で積み立てたり、若い世代からの給付の形をとると、若い人たちは、年金制度から離脱したくなる。関係ない老人を支えるために、給与が減らされるなんて、バカらしいでしょう。

 

特に、結婚していない若者は、そんな将来のことは、考えたくもない。

 

(私は、30年前、公認会計士や税理士の友人たちが、皆、年金は破綻確実なので、信用してはいけないと話していたことを思い出す。)

 

人口減の中、どうせ、自分たちが高齢に達したら、もっと若い世代は、人口が少ないので、年金額が少なくなる。

 

つまり、現在のスキームでは、年金は、続かないし、その仕組みが、日本を衰退に追い込む。

 

(技術発展による生産性向上が、数値だけを見る経済学者に理解されない。彼らの計算では、例えば、衣食住生産は、十分できていても、格差の下でお金だけが回らず、餓死する人がでる計算になる。

 

未来の予測に技術の影響を配慮できない学者は、発言してはいけない。)

 

今後は、年金支給は、全額政府通貨で対応し、これまで積み立てられた年金基金は、各個人に返済する方法もある。

 

返済後、資本通貨(公共通貨=政府通貨)と言う新たな財源から障害者や病人と同様、働かない高齢者は、十分な年金を得て、「お金を使う役割を得る」形になる。

 

デフレが続く日本経済では、高齢者が使い、需要を増加すれば、若い働く世代を支援することとなる。

 

使われない余ったお金は、図で言えば、B.で循環されず、C.に貯蓄されるだけである。

 

もちろん、インフレにもならない。

 

、「通貨 の 製造元 B 民間ローン c 供給元 国債を含み 政府支出 GOP 税金 ローン返済 人々・企業 企業 人々 日々の活動 経済活動 日銀 銀行 政府 国債/硬貨 預金 非活性 剩余資金 Dead Stock 預金市場 活性資金 M1,2,3 銀行他 M3-M1」というテキストの画像のようです

 

このスキームを実現する場合の最大のメリットは、高齢になっても十分な支給があるので、日本人全体が、楽観的になり、少子化や需要減の問題が消えることである。

 

政府(資本)通貨の発行が、多量になされる場合、リスクは、もちろん、インフレであるが、皆が必要なものをきちんと購入するようであれば、従来通りの需要となり、インフレにはならない。

 

反対に最大のメリットは、恵まれない条件で生まれ、差別や格差で苦しんできた人々が、高齢になった段階では、確実な支援を受けるので、人生に悲観的にならないことである。

 

お金を稼ぐことは、あまりできなかったとしても、高齢になると、お金を丁寧に確実に使う。その役割があるということである。

日本では、通貨を発行し過ぎると、インフレになると信じている人が、経済学を多少学んだ専門のある人を含めて、かなり多い。

 

私は、必要な資金額を正当な目的で予算化すれば、全くインフレにならないと思っているので、その例を上げてみたい。

 

2000年代以降、日本の経済成長率が低くなり、日本の大学大学院では、研究費が文科省から十分に与えられなくなった。

 

毎年、減額が続いてきたのだ。

 

将来、芽が出そうなノーベル賞級の生化学物理化学分野の研究とか、短期に結果が得られそうな研究には、重点的に配分されるが、

 

そうでない研究をしている研究者にとっては、今に至っても、かなり厳しい状況が続いている。

 

2000年前後だったと記憶しているが、米ハーバード大学がマネージする奨学金や研究などの教育ファンドは、3兆円に達していた。

 

最近の額は、4~5兆である。私の母校バージニア大学は、10年ほど前、5千億円だった。

 

米国では、大学全部で70兆円の教育研究ファンドを運用しており、毎年の利息は、各々5~9%である。

 

対して日本政府は、2020年12月8日、10兆円規模の大学基金を創設し、大学の国際競争力の強化および、若手研究者の人材育成、研究施設の整備支援に充てる方針を発表した。

 

日本の有名私大は、寄付100億円集めるにも、苦労しているが、

米国では、高齢の卒業生が生前贈与のように、10億円とか、時に100億円単位で寄付する。

 

トップクラスの米大学の同窓会担当職員は、苦労しているとは思えない。(年に数回、理由をつけては、寄付のPR活動が盛ん)

 

日本の研究力の最低限の維持を計画するにあたり、GDPの比くらいは、米国に負けない程度のことは、考えないといけないだろう。すると、日本は、20兆円になる。

 

説明を分かり易くするため、極端な例として、

 

日本には、国公立大学が、600校以上あるが、主に研究活動の盛んな大学100校程度に、10年間程度で300兆円を研究予算確保のためのファンドとして確保することとする。

 

資金源として国債を発行すると「また、赤字国債を・・」と批判が出るので、ここは、政府が、国債でなく資本通貨を発行する。

 

資本通貨(政府通貨=公共通貨)は、愉快な通貨である。

 

お金は、誰でも貰えば嬉しいものだが、

 

政府にとり、資本通貨は、国債発行を経ないので、政府の債務として残らない。

 

(現在でも硬貨を政府は発行できるが、今回は、デジタル通貨の資本通貨とする。借方は、デジタル通貨が、貸方では、負債項目でなく、資本項目が増加する。)

 

例えば、日銀が発行した円通貨(現金)は、負債として日銀の貸借対照表に記述されているが、政府発行の資本通貨は、発行したとたんに政府の資本勘定に入る。

 

借方の資産増加と同じ金額だけ、資本勘定の余剰資金が増加することで、左右がバランスされる。これは、企業が株式発行で増資する場合に相当する。

 

政府から大学に資金が移ると、大学の預金口座を持つ銀行の貸借対照表には、負債項目に増加分が記入される。

 

(政府が大学に資金を移動するとは、政府による債権放棄と同じ。)

 

人口の少ない県、例えば、島根県の島根大学に研究費を1000億円付与するとして、近くの島根銀行に預金通帳をお願いする。上述した方法で、島根大学の預金口座に1000億円が記入される。

 

島根銀行の仕事は、単純に島根銀行の預金通帳に印字するだけであるが、特別ファンドの運用で、毎年1~5%程度の利益を上げるように計らう。

 

日本の株式でも配当だけで 5%程度の株もあり、実質3%の収益を上げるとすると、年間30億円となる。

 

島根大学の年間予算は、400億円足らずであり、それなりの研究教育予算になる。

 

大学の年予算は、研究活動が盛んな旧帝大では、北海道大学で1000億円、大阪大学で1600億円。東京大学で2400億円である。

 

各々、年予算額の10倍の研究ファンドを供与すれば、北海道大学で1兆円となり、毎年3%利益で300億円の研究予算が追加されることとなり、大学には、3割程度の追加予算となる。

 

近頃、日銀は、日本の株式ETFを毎日500億円~2000億円買い付けてきた。全国の大学の研究費が、資本デジタル通貨で増加され、株式市場に年間2~3兆円増加しても、微々たるものである。

 

ノーベル賞級の研究を支えるような高度研究機材を製造している日本の世界的精密機械メーカーに、近年、急成長する中国やインド市場でなく、日本市場にも目を向けてもらうためには、思い切った施策が必要であろう。

 

(世界トップクラスの技術を有する日系の精密分析機器メーカーは、日本に数百存在する。しかし、彼らは、政府予算が付かない日本市場には、あまり期待していない。この驚くべき事態の原因は、財務省の財政規律である。)

 

日系精密機械メーカーは、高度機材輸出でことさら中国の研究を支えたいわけではない。日本の研究市場が、衰退していくのであれば、他国に向かうのは、経済原則から当然である。

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国内高等教育機関の研究費ファンド300兆円を課題とすると。

 

1.300兆円を政府通貨で発行し予算確保しても、物価は、上がらない。GDPには回らない預金が存在するだけだから。

 

2.各大学に移転しても、預金として数値があるだけ。

 

3.ファンド・マネジメントで世界中の債券市場に仮に300兆円を一度に投資しても、金額は小さく(全世界債券市場の1%以下)、株式市場が若干プラスになる程度。(実際は、少額に分け、長期に投資するので、何の影響もない。)

 

4.期待できるのは、各大学の経済学部にファンドマネジメントをさせること。経験もなく、実態経済をも知らない日本の経済学部教授たちが覚醒し、経済に関して、より適切な教育ができるようになることだろう。