空との対話
昨夜はとても寒かった。
三寒四温というように、この時期は南からの暖気と北からの寒気が戦っていて、暖かい日と寒い日が繰り返しやってくる。
温度差のある空気がぶつかるわけだから、天気も不安定になる。
今の時期を「菜種梅雨」と呼んで「第2の梅雨」と捉える場合もある。
昨日のTF中止は正しい判断であったことは間違いない。
自分でも色々とデータを集めながら、朝にかけて雨の止み間が発生しないかを探ったが、飛行機を組み上げるだけの時間、止み間が発生することはないだろうと結論付けた。
実際、早朝に雨が弱まった時間帯はあったが、止むことは無かった。
飛行機を飛ばすか否かを判断することは「ディスパッチ」ともいわれ、非常に重要。
特に、空を飛ぶ以上は天候との兼ね合いが難しい。
普通の飛行機ならば、飛べるか飛べないかに関わってくるのは「風」と「視程(霧など)」の問題がほとんどだが、デリケートな人力飛行機は「風」に加えて「雨」が関わってくる。
翼に弱い素材を使っている以上、雨が降れば基本的に飛べない。
普通の大型旅客機でも翼に着氷があったりすると危険だとか、小型グライダーならば夜露が翼に付着するだけで揚力に大きな影響を及ぼすと聞いたことがある。
しかし、人力飛行機はそれらの比ではない。
飛行機は、空(大気)に抱かれて飛んでいるようなもの。だから、空と対話できてこその飛行機野郎なのかもしれない。
今後も気象判断をしっかりした上でテストフライトを続けてもらいたい。
ハイシーズン
昨日、助成金に関する協議を現代表と会計でするため作業場へ行った。
ちょうど、ケージの扱い方や翼の接続方法を設計主任がレクチャーしているところだった。
今、ACMは1週間後のテストフライトに向けて作業がピークを迎えている。
みんなタイムリミットに追われて、夜遅くまで作業しているし、部室に泊り込んでいる通いの人もいた。
ロールアウト直前独特のピリピリしたムードも伝わってくる。
何よりも、ケガや体調には十分気を付けて頑張ってほしい。
そんな光景を見て、自分が2007年の頃を思い出した。
あの時も、コンテストが迫っているのに飛行機がなかなか完成せず、夜遅くまで作業していた。
私は泊りこむことはほとんどなかったが、毎日フルに作業して 「いかに遅く家へ帰るか」 を考えていた。
ピーク期、つくばエクスプレスの終電に乗ることはほとんどなかった。
柏駅まで行って、常磐緩行線で新松戸まで行き、新松戸から武蔵野線の終電に乗った。
定期券外でお金はかかるが、この大回りルートなら20分ほど多く作業ができる。
何日かは新松戸に1時に着く常磐線の終電に乗って、新松戸から徒歩で家を目指したこともある。
そんな日々が1ヵ月くらい続いただろうか?
あの頃は春休みとか夏休みではなく、1学期の最中だったからなおさら大変だった。
昼間はいつもウトウト。
ひどい時は作業中にもウトウトすることが…
こればっかしは危険なので絶対真似して欲しくない。
あのころが懐かしい。
今は春休みだから1日制作に打ち込める。
現役部員は大変だろうけど、必死に飛行機を作って、素晴らしい思い出にして欲しい。
テストフライトが楽しみだ。