外は寒くて風も冷たい。
病院はとても暖かで、巷で流行っているインフルや、寒い思いもすることはないからかえってこの時期の入院は余計な心配がいらない。
確かに入院中はいろいろ守られてはいるけれど、世の中から離れた生活は味気のないものに違いない。日に日に傷が癒えてくると同時に、一体今日がいつなのか、今何時なのか10日もすれば、上げ膳据え膳の何もしないそんな生活にも慣れ、ものを考えなくなってしまう。日々のリハビリと見舞い客が運んでくる外の空気が唯一母の脳を刺激してくれる。
部屋の暖かさで籠にかわいく飾られたチューリップ達もすぐに花が開き、終わりを告げる。そして今度は庭から山茶花の枝を切ってきて小さな花瓶にさす。冷たい空気にさらされた山茶花は、この時期何もない我が家の庭に唯一鮮やかな色どりを添えてくれる。無機質な病室に外から自然の匂いを運ぶ。父も植物が好きだったし、母も庭いじりが大好きだから、私の植物好きは親譲りなのであろうか。
ちなみに山茶花は椿と違って花房ごとぽろっと落ちることはないので病院内でも縁起の悪いことはありません。
