アッシェンバッハの彼岸から -48ページ目

メタボリック・カメレオン

三浦友和がブームである。というか、わたしが勝手に夢中なんである。


それにしても何だろう三浦友和の魅力とは。

そういや彼は我々の親世代にとっては超正統派二枚目俳優であった。

それがいつの日かこれほど気鋭の若手監督たちに好まれるバイプレイヤーとなったのか。

メタボ体型で人間臭く、いまや二枚目でもない。

それでもどんな胡散臭い役をやっても憎めないし胸焼けしない。

それになによりね、あの何ともいえず哀感漂う姿がたまらんのだ。

わたしの勝手な思い込みによれば、誠実な二枚目キャラののちの友和には「百恵を専業主婦にした男」とゆう形容詞が付きまとったはず。それこそがあの哀愁につながってると思うのは、失礼な詮索だろうか。

反面そんな巷の評価など、飄々と余裕綽々と受け止めてきたようにも見えたりして。

彼が二枚目仮面を捨てて、「かつて清志郎のバックで原発云々と歌っていた」自分として開き直ったのは、『台風クラブ』の生臭教師からじゃないかしら。そうだ、もろに「百恵の旦那」だった頃だなあ。


思えばわたしが彼のいろっぽさに気づいたのは諏訪敦彦監督の『M/OTHER』から。映画自体は若干冗長なんだけど、やさしいお父さん友和のうしろから、生臭い色気だとか人間のしょうもなさみたいのが出ていて、それがとても良くてかなしくていやほんと、そこらの若い男なんてみんなまとめてどうでもよくなりそうだった。

以来、石井克人から行定勲、大ヒット昭和懐古映画では哀感と品と優しさを生かしたお医者さん、そして『松ヶ根乱射事件』のダメオヤジ、そして今度はとうとう三木聡に起用されたのだから目が離せません。

ディランぶったオダジョーの数百倍、ロン毛にニューバランスの友和のほうが魅力的っておもったのはわたしだけかしら。

それと、こんど公開されるホームレス友和も味がある。ラストで筆舌に尽くしがたいほど良い表情をするのだが、そしてそれこそが映画の醍醐味であるにも関わらず、そこでよけいな科白をしゃべらされて感慨が途切れる。

これだからテレビドラマ出の監督は嫌いなんだ。あ、それ言うなら三木もドラマ出か。ってそんなことはどうでもいんだけど。

どうでもいいついでにもうひとつ、この映画には、ある美形俳優がゴミ捨て場に転がされたり、ズブ濡れで泣きながら地面に這いつくばったり、ぼこぼこにされて「許してください!許してください!」と土下座するシーンがあるのだ!!おもわず身を捩ってしまいましたよわたしは。まったくぞくぞくするほどうるわしい。きれいな男の子のぶざまなさまって、どうしてこんなに楽しいんだろ。カラダの表面がひんやりしていそうな男の子の。


ということでまたまた話題が逸れたけれど、三浦友和はきっとカメレオンマンだとおもうわけなんです。