けいちょうふはく
わたしに限っていえることだけれども、3年に1回くらい、ネオアコとかニューロマみたいな、
ウンザリするぐらい軽佻浮薄で甘甘な音楽がブームになることがあって、いまがそれなのである。
で、ヘビーローテーションなのがGangwayのMountain Song。
これがどんな唄かといえば、はじまって早々安い生クリームのケーキみたいにチープで楽しくて、そのくせ測ったみたいに的確なのが、いいのかわるいのか気持ちがいい(コンピュータですからね)。
それに、資本主義大国日本では、あとひと月もしないうちに、クリスマス商戦が本格化しますから、どうでしょ!!みたいな無理やりなロマンチックさスイートさがある。
一見、安いケーキみたいなのだけれど、これが悪くない。
恋が、したく、なる、の、でしょうか?
そんな感じに根拠もなくステキな、主体性のない甘さ。お砂糖の甘さ。
例えば、雪景色のなかに男女が笑顔で立っていて、笑顔の理由などはどうでもよろしくて。
この女の子はモヘアのニット帽にマフラー姿の美少女で、加藤ローサあたりはキレイなぶん中身がなさそうな感じがちょうど良く、男の子は誰でもいいが若くて痩せて色が白くて美しくて、こちらも現実感に乏しければ乏しいほどよろしい。
書割めいた背景の、あっちのほうには北欧ふうの、きちがいじみた大きさのクリスマスツリーを従えた小さな家があり、窓はオレンジいろに暖かく、空からは、CGでできた雪の結晶が、くるくるくるくると回りながら降ってくる。
雪のなかの男女は、ジーコジーコとぜんまいを巻いた分だけ回転するオルゴールのように、笑顔で抱き合い続ける。ぜんまいを巻くたびに。
1980年代半ば。楽しかったのかなあ?その後の長く暗い時代を予期してかせずか。
わからないけれど、とりあえず甘いものは別腹なのだろう。いまも昔も誰だって。
