変えたかった二人、変えないでいい一人「ボクシング:トリプル世界戦」生観戦 | 52歳で実践アーリーリタイア

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52歳で早期退職し、自分の興味あることについて、過去に考えたことを現代に振り返って検証し、今思ったことを未来で検証するため、ここに書き留めています。

井上尚弥vsタパレスのスーパーバンタムの統一戦は、抽選に外れていけず。大晦日の井岡一翔戦は、対戦相手がエストラーダなどの強敵ではなかったのでパス。

 

そしてWOWOWで、アレハンドロ・サンティアゴの強さを知った私は、第二のモンスターともいうべき中谷潤人との世界戦は観戦必須ということで、両国国技館に行ってきました。

 

 

そして奇しくもこのイベントに「二人の変えたかったボクサー」が登場したのです。

 

▪️変えたかった二人「井上拓真」「田中恒成」

井上拓真と田中恒成。この二人は変えたかったんですね。ボクシングを。
 
つまり、今回のイベントは「防御を変えたかった田中恒成」「攻撃を変えたかった井上拓真」の姿が、見事にシンクロしたマッチメイクなのです。
 
主催者がこれを意図したかどうか、は知りませんが。。。。

【攻撃を変えたかった井上拓真】

拓真は、ドネア戦1の尚弥の前座で観ましたが、テクニックは抜群なるも、いかんせんパンチがない。

 

でも実力的にはチャンピオンになるべき器で、兄がいなければこのままでも「技術を見せつける素晴らしいチャンピオン」という事で後世に名を残したのでしょうが、やはり兄が「怪物」である限り、拓真のボクシングはこのままでは終われない。

 

彼自身も「変わりたかった」のです。KOで勝てるボクサーに。

 

そして変わったのです。

 

しかもボディ一発で。しかも歴戦の勇者アンカハスに。

 

 

これには感動しました。

 

兄は余裕の表情で弟を抱き抱えますが、弟の拓真は涙で目が一杯に。偉大なる兄の存在はどれだけ彼を苦しめた事だろう。

 

 

それでも兄がいたおかげで強くなった、ということも言える。いずれにしても怪物の「兄」無くして彼は語れない。そういう運命を背負った男が井上拓真なのです。

 

 

【防御を変えたかった田中恒成】

実は3年前だったか、井岡一翔が好きな私は、大晦日に田中恒成の試合があるということで井岡応援で、大田区の体育館へ。

 

井岡の見事な技術が田中のスピード抜群のパンチを交わしつつ、カウンターで井岡が田中を倒したあの試合は、本当に井岡の真骨頂をみせた素晴らしい試合でした。

 

(2020年12月21日撮影 井岡一翔vs田中恒成戦)

 

ボクシングはパンチ力はもちろん重要ですが、技術こそがパンチ力に勝る、そんな印象を与えてくれた試合だったのです。

 

まさにメイウェザーがパッキャオを負かしたように(個人的にはパッキャオ推しです)。

 

 

そして鼻をへし折られた田中恒成は、今後どうなるんだろう、と思っていましたが、彼自身、必死に変わろうとしていたのです。

 

そして見事に変わったのです。しっかりしたディフェンスを身につけて。

 

 

そのぶん、彼の魅力であるスピードに任せた「勢い」みたいなものは無くなってしまいましたが、このボクシングであれば、きっと勝利を積み重ねると思いますが、かつてのあのスピードをぜひ生かしたボクシングに更に進化してくれると、一観戦者としては、嬉しい。

▪️変えないでいい一人「中谷潤人」

今回の興行の私の観戦目的は、中谷潤人とその対戦相手アレハンドロ・サンチアゴ。これは面白い試合になるなと思ったのです。

 

 

そして私の狙いの中谷は、これまでも前座(村田vsゴロフキンや寺地vs京口)で見てきた通り、

 

(2022年4月撮影:WBOフライ級タイトルマッチ戦)

 

(2022年11月撮影 スーパーフライ級10回戦)

 

バンタムに上がってもその技術と高身長に伴う懐の深さを見せつけて、強敵サンティアゴを圧倒。

 

サンティアゴが全く懐に入れないのです。相手のパンチも完全に見切っていて「いつ仕留めるか」が試合観戦のポイントになってしまうほど。

 

 

中谷潤人はホンモノですね。ぜひ将来井上尚弥と対戦してほしい。

 

そして「どっちを応援するか」は悩ましい。

 

贅沢な悩みです。