中国の「海警法」にみる、中国とベトナムの違い | 52歳で実践アーリーリタイア

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52歳で早期退職し、自分の興味あることについて、過去に考えたことを現代に振り返って検証し、今思ったことを未来で検証するため、ここに書き留めています。

今日(2021年1月29日)の日経新聞の以下記事に深く納得しつつ、同じ一党独裁国家体制をとっている「中国」と「ベトナム」の違いについて考えてみました。

 

 

ベトナムでも中国と同じように、反体制的な表現や現行秩序を覆すような「表現の自由」には違法行為として厳しく取り締まっているようですし、タテマエでは法治国家といいながら「共産党治国家」なので、法律は共産党の都合の良いようにコロコロ変わるようです。

 

しかしながらベトナムは、国際秩序を守って「現状変更行為」をしないので、自由社会側はベトナムには無闇に内政干渉せず、経済面でのお互いの利益を享受すべく、上手にお付き合いできています。

 

ベトナムは、一党独裁という自分たちの価値観を保持しつつ「国際社会」という秩序を守っている仲間として自由主義社会は受け入れているのです。

 

一方で残念ながら、中国は現状秩序に挑戦する動きが最近際立っています。中でも先般、中国で制定された上記記事の「海警法」は、大変深刻な問題ではないかと思います。中国が「国際秩序から逸脱した行為を海で行いますよ」と公に宣言したのですから。

 

日本でも可及的速やかに「海警法」に対処するための法改正が必要ではないかと思います。自由主義社会は、中国は我々とは違う価値観だから中国を排除したいのではありません(だとしたらベトナムも排除しなければなりません)。

 

中国が「現状の国際秩序を変えようとする動き」をするから排除したいのです(下図参照)。

 

 

外交で穏便に済ませられれば苦労しないのですが、中国に対しては外交で穏便に進めるだけでなく、ある程度「力」を誇示していかないと日本の国益を損なうことになりかねません。

 

これはウイグルや香港などの中国国内問題とは別次元の問題。国際秩序を脅かす現状変更行為。

 

スティーブン・ピンカーの「暴力の人類史」が明らかにした通り、「暴力」は近代以降、大幅に縮小してはいるものの、現状変更を現実にしようとしている中国に対しては、残念ながら『暴力の力』も使わざるを得ないのは、現実に生きる我々のリアルな状況です。