地球科学は、まだまだ発展途上の分野らしくプレートテクトニクスも戦後に初めて唱えられた学説で今も新しい学説がどんどん出ている状況らしい。著者も「定説ではないですよ」という前提のもとに彼なりのフォッサマグナ形成に関する説を説明しています。地球科学関連の書籍としては昨年(2017年)9月に出版された本なので、過去の研究成果も踏まえながらの説だと思います。その点では従来よりもより説得力のある内容になっているのではないかと思います。
ブルーバックスでシリーズのように出版されている藤岡氏の最新の著書です。これまで「三つの石で地球が分かる」「海はどうしてできるのか」「山はどうしてできるのか」などを通読してきましたが、フォッサマグナについては、日本特有の現象として1冊本となって出版されています。
基本的には日本列島はどうやって出来たんだろう、というのがポイントになっていますが、こんなに特殊な地形は世界探してもなかなかないんだなというのがよくわかります。そしていろんな説があるので、「どれが」ということはないのですが、プレートが年間8cm
ぐらい動いていて、その境目で衝突して沈み込む方があらゆる影響をして、というのが定説になっています。
一方で、ユーラシア大陸からなんで日本列島が分裂して日本海ができたんだろうというのがずっと疑問だったのですが、これも諸説あるらしい。
ただ著者のいうホットプルームが一番最初の原因だったのではというのも納得できるのですが、一方で中央構造線との関係はあまり説明がなかったので、その辺り因果関係はないのでしょうか?と問いたい気分です。