「加賀屋のこころ(細井勝)著」で改めて実感した加賀屋の能力 | 52歳で実践アーリーリタイア

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52歳で早期退職し、自分の興味あることについて、過去に考えたことを現代に振り返って検証し、今思ったことを未来で検証するため、ここに書き留めています。

かつて加賀屋に泊まり、同じ接客業として、その接客能力に感激したので『加賀屋の流儀」を読み、これまた、そのスゴさに驚き、今回その続編ともいうべき本書を読み、涙が出てしまうという、加賀屋は人を感動させることにかけては、唯一無比の企業ではないかと思います。

見ての通り、失礼ながら見かけは有名温泉旅館街にどこにでもある、豪華な大型和風旅館という出で立ちですが、スゴいのは、その従業員一人一人のレベルの高く、かつ均質な接客能力。

均質な、という点が重要で、どこの旅館でもこのクラスの旅館なら接客能力の高い従業員はいますが、フロントから清掃の方、バレーパーキングの駐車場係の方、お土産屋の販売員、そして接客の頂点たる客室係。全ての従業員が、漏れなく接客能力が高いのです。接客能力が高いというのは、個々の従業員の臨機応変な、アドリブ的対応の能力が高いということ。本人たちの意識がよほど高くないとこれは難しいと思います。

これは、一企業体としての組織的な能力なくしてはできない。その答えが、いくらか垣間見えるのが、本書と「加賀屋の流儀」。

もちろん精神論的な部分もありますが、従業員が気持ち良く働けるために、最新のテクノロジーを惜しみなく採用する、福利厚生のための施設も充実するなどの、従業員を支えるインフラ面においても、非常にそのレベルの高さが伺えます。一方で、経費節減のための不断の努力も欠かさない。

特に本書は、能登半島大地震という危機的状況を、どうやって乗り越えたのか、その危機的状況において、加賀屋は、そのように対処したのか?実に興味深い内容が盛り込まれています。