ヘレン・ミレン主演の映画「クイーン」における英国女王の姿勢 | 52歳で実践アーリーリタイア

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ヘレン・ミレンがオスカー女優となった「クイーン」を観た(以下、若干ネタバレ含みます)。

この映画は、ダイアナ妃の事故死を題材に、エリザベス女王が、英国民・いや全世界の人びとに向きあわざるをえない、そしてそうせざるを得ないことを、女王に気づかせるブレア首相とのやりとりを通じて、女王の心の移り変わっていく様子を、ヘレン・ミレンが見事に演じてきっている映画。

この内容が事実かどうかというよりも、エリザベス女王であっても、国民に寄り添って生きることが王室としての存在価値であることを、十分に再認識させてくれる映画だった。

いや、英国王室でさえ、時代によって移り変わっていく国民のそれぞれの時代の意志に従っていかないと、王室の存在さえ危うくなってしまうということに、日本の天皇とは違った、英国王室の立場というものを認識させられた。

女王は女王なりに、英国王室を自ら離脱し、一民間人となったダイアナ妃に対しては、距離を置き、スペンサー家に一任するのを国民も望んでいるし、英国王室の立場もそうあるべきだと思っていたにもかかわらず、「否」と言うブレア首相のサジェッションによって、ロンドンに戻り、現場に飛び込んで国民の声に謙虚に接して、そのスタンスを変え、正々堂々とスピーチする姿に、チャーチルの時代から、ずっと女王としての誇りを持ち続けたエリザベス2世の「凄み」を味わったのでした。

成功体験に甘んじて変化に対応しなければ、あっという間に時代に取り残され、忘れ去られ、捨て去られてしまう。それが英国王室であっても例外ではないわけで「況んや私企業においてや」という気分になったのでした。